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『下流中年 一億総貧困化の行方』 [☆☆]

・リベラルが力を弱めた原因もまさにそこにある。リベラル的な政策ってものすごく予算がかかるけど、でも今は国にもお金がないわけじゃないですか。

・2010年以降、恋愛結婚・出産を諦めた「3放世代」という言葉が流行りましたが、最近は諦めの対象にマイホーム、人間関係を加えた「5放世代」、さらには夢、希望まで追加した「7放世代」という言葉まで出てきている。

・個人の収入というのは個人のスキル(技能)に必ずしも根拠を持つものではないということだ。実際、戦後の日本は景気が良く、大きな需要があったために、粗製濫造であってもガンガン儲けることができたのである。

・貧しい人というのはむしろモノを多く持っている。ミニマムどころか、不必要なほどにモノが溢れている。

・シンプルな生活をできる人というのは、身の回りにモノがないということに、不安を抱かない人たちである。なぜ彼らが不安を抱かないかといえば、必要になったらいつでもモノを買えるだけのお金を持っているからである。

・社会は失った人にはその補償をしようとする一方で、それを元々得られなかった人にはまったく補償しようとしない。

・理不尽に子供を失った人と、理不尽に子供を最初から得られなかった人――。その両者はどちらも「子供がいない」という同じ状況にありながら、前者は手厚く同情され、補償を得られるが、後者である我々にはまったく何もないのである。

・保険会社が掛け金を多く支払った人に対して多くの補償をするのは仕方がないが、国や行政が多く多くを持っていた家に対しては多くの補償をし、家を持っていない人には家を提供しないのはおかしな話ではないか。

・東日本大震災が起きた時に各地の避難所でホームレスが追い出されたという話を聞いたことがある。「家がない」という状況は、家を失った人も、そもそも家がない人も同じであるはずなのに、資産があった側は保護され、最初から資産を持たない人は追い出された。

・結局「持っていた人が失う」ことに対する同情は強くとも、「そもそも持っていない人」に対する同情が足りないのが、今の日本の現状なのである。

・当然のことだが残業代は割高なので、残業手当が元々の年収に届くような長時間の時間外勤務を強いるくらいならば、プラス1人を雇って残業代を少なくした方が安く済む。

・多くの人たちが、自分たちの「家」や「家族」を守ることよりも、会社という「神」を守ることを優先してしまう現状が存在している。

・「働く」という言葉が掛かる場所はすべて会社である。会社のために働くことこそ「働かざるもの食うべからず」というときの働くという意味なのである。

・そもそも憲法は国に対する命令であり、憲法に書かれている勤労の義務は、国が国民に対して労働を提供する義務を指すのである。

・会社が神である原因は、会社が「賃労働として認められる仕事」を独占しているからだ。

・よく「単純労働が機械に奪われる」という話になりがちだ。そしてそういうことを言うのは、たいてい経営者という人種だ。彼らは末端で単純労働に就く人たちを代替できる労働力だとみなしているから、そういう発言になるのだろう。

・単純労働というのは人工知能はもちろんのこと、人工知能の判断をフィードバックする「人工肉体」が必要であり、人間を超える肉体の開発は人工知能の開発よりは物理的制約が強いために、人工知能が人間の知能を超えるよりも後であると考えられる。

・いずれは人工肉体も完成するだろうが、少なくとも頭を使うだけの仕事よりも先に代替できるようになることはないだろう。

・一部の職人は希少化によって存在価値を大きくしたが、一方で多くの凡庸な職人が仕事を失っていった。

・ホームレスの人と話していると、廃棄されたコンビニ弁当を食べるときには、人間としてのプライドを捨てなければいけなかったと聞きました。自分のプライドや自己肯定感を捨てざるをえない――それが相対的貧困の本質です。

・社会のために行なわれるボランティア活動でも、組織として動いていくとなると、やっていることは会社と同じであり、しかも報酬がもらえない。ある意味では究極のブラック企業とも言える。



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