So-net無料ブログ作成
検索選択

『のめりこませる技術 誰が物語を操るのか』 [☆☆]

・インターネットはカメレオンのように変幻自在な、歴史上初めて「全メディア」を包含できる媒体だった。

・ディープ・メディアのストーリーは、ただ「楽しませる」だけでなく、あなたを参加させ「引きずり込む」のだ。

・アメリカの若者たちのテレビ離れがあまりにも加速的なので、2007-2008年シーズンのゴールデン・タイムの視聴者平均年齢は何と50歳に跳ね上がった。つまりスポンサーが狙いを定めている18歳から49歳という視聴者層にすら届いていないのだ。

・見てもらいたいものを大声で宣伝する代わりに、隠したのだ。「何かを発見したら、絶対他の人に言うだろうと考えたんだ。ヒトというのはいつも話題の種を探しているからね」。

・途中で邪魔が入ると、話に戻るのが大変になるんだ。だから順序関係なしで、どのエピソードでも食い尽くせるようにしておくべきだった。プレイヤーが、物語じゃなくてキャラクターについて深く入り込んでいけるようにすればよかった。

・かつてペルシャ絨毯売りが客を自宅に招き入れて茶を振る舞ったのと同じように、現代のマーケティングは客を取り込み楽しませなければならないのだ。

・一連のハッキリしたつながりはないが、感情に直接訴えるような「瞬間」を提供することにしたのだ。人々はそれを自分なりに消化してしまうだろう。

・本ならページを閉じて「おかしいぞ」と疑うことができる。でも、テレビに魂を掴まれている最中に「おかしいぞ」と思っても、逃げられまい。本が相手なら理性的な対話ができる。しかし私の知る限り、テレビ相手では勝ち目がない。

・「ヤマト」というのはただの沈められた戦艦の名前ではなく、日本そのものを意味する。イギリスが「アルビオン」という古名を持っているように、日本にも「大和」という優雅な、創世時に与えられた名称があったのだ。

・彼らは簡単だからやるんじゃない。困難だからやるんだよ。できないからこそ、やるんだ。

・アメリカの三大ネットワークが60年間休みなしに放送を続けたとしたら素材の総尺は150万時間以上にのぼるだろう。それはそれで驚くような時間だが、実は最近6か月にユーチューブに一般の人がアップロードしたビデオの総尺より少ない。

・実際は、子供たちは「楽しませてもらいたい」のではなく「自分でもっと楽しみたい」ということなのだ。

・劇場の収入は、「時間単位で座席を貸し出す」ことで得られたものだった。本質的に、映画産業とは娯楽を餌にした不動産業と言っても過言ではなかった。

・比類なく独創的な作家と知られるバロウズは、他人の文章を糊とハサミで切り貼りして、サンプリングしてリミックスしていたのである。

・今や、どのコンピュータにも「糊とハサミ」は備わっているご時勢だ。デジタルの本質は「リミックス」という性質にある。

・人類は今まで蓄えてきた「混乱を招くほど膨大な科学的知識」に効率的にアクセスして使いこなせないのではないか、というのがブッシュの懸念だった。インデックス式の検索システムでは不十分であるとブッシュは論じている。「何故なら私たちの頭脳は、インデックスのようには働かないからだ。私たちは連想によって考える。何かを考えた瞬間、緻密に張り巡らされた脳細胞をたどり、連想的思考に導かれて他のことを考えていくのが私たちの思考というものだ」。

・多動性障害などというものは、フツーが一番と思っているファシストが考え出した言葉に決まっている。そういう輩は、毎日毎日、同じことを同じようにやれと押しつけてくる。そんなことをしていたら頭がおかしくなる! 多動性障害だと? もっと前向きな言葉を考え出すべきだ。わたしなら「ハチドリ的思考」と呼ぶね。

・新しい情報技術が導入されるたびに、人類は同じような心配を繰り返してきた。ソクラテスすら、本を読むと忘れっぽくなると文句を言ったのだ。ソクラテスが理解していなかったのは、本を読んだ方がはるかに多くの記憶を蓄えられるようになるということだった。だから人類は、2400年前に賢人が「本を読むと馬鹿になる」と言ったときに本を捨てはしなかったのだ。代わりに「馬鹿」の定義を変えたのだ。そしておそらく私たちはグーグルに対しても、同じことをするだろう。

・根底で『ロスト』が『スターウォーズ』に深く影響されているのは「本質的な単純さ」と「外見的な複雑さ」という性質だ。

・表面的なミステリーは、猛烈に入り組んでいて複雑だ。でもそれぞれの登場人物が直面する危機は、人間なら誰でも直面するものなんだ。

・登場人物の一人ハリーは「呪いの数列」に出会う前は精神病院にいた。「ハリーは何を求めているのか。彼は自分の言うことを信じてほしいだけなんだよ。誰だってそうだろう?」。

・これはテレビ業界の悪しき傾向だ。素晴らしかった番組が、テレビ局がその人気を手番したくないがために、頂点を過ぎてなお視聴率を搾り取られて枯れてく。

・『World of Warcraft』のようなゲームには、終わりがありませんよね。「プレイヤーが訪れる世界」ではなくて「居座れる世界」を創ればそれができる。でもテレビは世界を「訪れる」ための入り口でしかないですね。

・シチュエーション・コメディには、3台のカメラでカットを割らずに撮影し観客の笑い声で笑いどころを強調するという、50年代から変わらない絶滅寸前の伝統的な様式がある。

・ゴール設定をして、タスクを与えて褒美を出す。それがすべてです。

・他のプラットフォームなしでテレビというメディアが復活することはあり得ないと思う。地上波放送の1時間番組は、他のメディアにつながっていく物語の出発点に過ぎない、という認識が必要になるだろう。

・社会的動物である人間は、他者の反応がないときちんと振る舞えない。

・5億人の人がフェイスブックに飛びついたのは、自分の物語を語れるからだ。そして物語を語るという行為に付随するすべてのもの──自尊心の高揚、地位の向上、社会の中の自分の立ち位置の操作──を得るためだ。

・競争原理に基づいて発達した「信号」は終わらない競争に発展するからコストがかかるんです。送り手は執拗に送りつけ、受け手は頑として拒む。「信号」は大きく長くなり、これでもかと繰り返されていく。一方、協調に基づいた「信号」は陰謀の囁きなんですよ。皆、聞き耳を立てる。安上がりで、情報量も多くできるのです。

・伝統的には、教室内では生徒たちには均等に褒美をやるのが良いと信じられていますよね。でも私たちの実験によると、褒美が出るか出ないかわからないという条件の方が効果的だということがわかったんです。

・ドーパミンが一番激しく放出されるのは、半々の確率で報酬が出る条件下においてなんです。

・報酬があるからドーパミンが放出されるわけではないのです。「不確実性」こそが放出を促すのです。動物の学習機能は「今度はうまくいくかもしれない」という可能性により導かれます。それは「探餌本能」と深く関係しています。あなたが食物を探すときは、あなたを「探すという行動」に集中させる仕組みが必要なのです。

・キネクトが登場するまで、モニターというものはプレイヤーに「何が起こっているか」見せるためだけに存在した。「こちらが覗き込むだけだった窓から突然、あっちもこちらを覗き込んでいるんです」。私たちを見つめ返せるようになったゲームは、何をすればいいのだろうか。

・脳のどこかの領域が古い記憶の再構成を司る。もしかしたら、その同じ領域で「新しい記憶」も構成されているのではないだろうか? つまり「記憶」と「想像」は同じ場所から来るのではないだろうか?

フランスには昔々、眠れる森の美女の城だった、というお城が実際にあるのだ。ロワール渓谷にあるユッセ城というその城は、森を半日ほど歩いて抜けていくと現れた。





のめりこませる技術 ─誰が物語を操るのか

のめりこませる技術 ─誰が物語を操るのか

  • 作者: フランク・ローズ
  • 出版社/メーカー: フィルムアート社
  • 発売日: 2012/12/25
  • メディア: 単行本



nice!(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

トラックバック 0