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『海賊と資本主義』 [☆☆]

・法を信奉する正しい市民を誘惑し、領土や所有権といった概念の存在しない別世界へと招き入れようとするのが海賊だったのである。

・他者の財、他者の権利を略奪する以上、自分のものについても所有権を主張することはできないのだ。

・資本主義は、封建社会の時代とはまったく異なる商取引の状況を言い表すために、いわば現象の「後追い」という形で19世紀後半に誕生した概念である。

・「地球が太陽のまわりをまわる」のではなく、「金が世界中をまわる」ことで成立するのが、近代社会なのである。

・資本主義とは、単位を統一し、社会を均一化し、労働力や資本の流通、交流を促すことなのだ。

・資本主義という概念を考えていくと、その出現には、脱テリトリー化と規格の統一化という二つの動きが不可欠だということが見えてくる。

・各国がどのように判断を下したかと言えば、主張の正当性そのものよりも、どちらに味方した方が「得になるか」が優先されたのである。

・一度にすべてを見ることはできない。照準をどこに合わせるかは、見る者の判断になる。現実世界はまさに、両立しえない、尺度の異なる画像がいくつも集まってできているようなものなのだ。長椅子に腰かけ、傍観者という立場から眺める限り、視点はいつまでも定まらぬままだ。

・紅客(honker)という呼び名は、中国語で「ハッカー」を意味する「黒客(heike)」から来ている。「紅客」は、共産党を象徴する赤と結びつき、政府と親密な関係にある愛国的ハッカーを指す造語である。

・金の流れによってすべての生産は抽象化され、貨幣単位を統一化することで、あらゆる商品は「数えられるもの」「計算できるもの」となった。

・資本主義がゲームに負けることはない。いざとなれば、経済危機によって、既存のルールの一部を無効化し、新たな方式を立ち上げればいい。

・資本主義はその存在意義を刻々と変化させていくため、どんなに分析研究を進めたところで、その正体をつかむことができない。

・規格化、つまり規格の統一化とは、同時に多くの規格外のもの、異常なもの、異分子を生み出す行為でもあるのだ。

・スキゾフレニーもまた、継続性のある「流れ」を生み出すが、それは同時に細かく分断されたものであり、何の価値単位も持たない。つまり、他者と共通する価値観を持たないのだ。それはまた、再利用、再評価が不可能なものしか生み出さないということでもある。

・資本主義の力は公理化の力である。現実をコード化し、すべての人、すべての国で共有可能な価値単位に換算し、コントロールすることなのである。

・領域拡大に伴う新しい取引形態の規格化こそ、近代資本主義国家の特徴である。

・資本主義は、境界の曖昧な部分、規格化がまだ進んでいない部分に新しい領域を開拓することで拡大を続け、国家を飲み込んでいく。そして、国家を飲み込むことで、ついには国家からはみ出したものを組織化するのだ。

・逮捕者が出たこと、それが大きく報じられたことでハッカーは「反抗」の象徴となり、あらゆる分野の反体制派を引きつけることになった。

特許という排他的な概念は、法律的にどこまで拡大解釈が可能なのだろう。「発明された技術を使用する権利を所有すること」と「その所有権によって保証される利益の運用」とは区別できるものなのだろうか。

アメリカのハッカーは自由主義者、欧州のハッカーはアナーキスト、中国のハッカーはナショナリスト的な傾向が強いとのことである。

・一度分解し、組み立て直すことができて初めて、それを理解したといえる。

・資本主義への批判の多くは、市場対個人、個人対国家、国家対市場いう通俗的な対比の延長でしかない。



海賊と資本主義 国家の周縁から絶えず世界を刷新してきたものたち

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