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『戦争サービス業』 [☆☆]

・まじめな顔さえしていればやることなんでも分別のあることだと思う連中がいるものだ。

・民間軍事会社の兵士たちは通常は、自分で実際に銃を撃つということはしない。他人に撃たせるのだ。

・民間軍事会社が業務として手がけるもうひとつの重点分野が情報活動である。電子革命の結果、情報収集および情報分析の技術は途方もない進歩を遂げ、今ではこれら専門の会社でなければとてもこなすことができないほどになっている。

・電子化された軍事施設や情報技術に依存する兵器システムの保守も、大抵は民間会社でなければできなくなっているし、現在ではその操作までもこれらの会社の職員に任すほかなくなっている有様なのである。

・地球上およそ石油が採掘されるところではどこでも「新しタイプの傭兵」が、採掘施設とパイプラインの警備についている。

・高度の技術化された軍隊では、前線に立つ兵士と他の兵員との数字上の割合は1対100とされる。つまり1人の兵士が銃を手に戦うためには、料理人から危機分析官まで100人の人員が必要になるというわけだ。

・軍事会社は特殊ではあるが、発注者との間に民事上の契約を結ぶサービス業の会社であることに間違いないので、これらの会社を縛るのは法的には商法しかない。

・なかには目先の利く者がいて、大国が勢力圏から引き上げると安全保障上の穴が開くに違いない、この空白を埋める仕事はきっと金になるはずだと読んだのだ。

・「ひとつの世界」になったお蔭でもうひとつ可能になったことがある。紛争を外から(他の国家とは限らない)煽りたてることが、それまでにはなかったほど簡単にできるようになり、特に金融面で支援することができるようになったのだ。

・「考え方はグローバルに、行動はローカルに」というモットーにならって、世界中にロビー・グループ、支援団体、支持者や戦闘員の外部組織を置き、手広く活動させるのは、なにもテロリストのグループだけではなく、ありとあらゆる経済、政治の利益団体が同じように活動している。

・始めのうち派兵士を訓練して技能を習得させようとしたのだが、次第に自前の専門家を養成するのは費用がかかりすぎて駄目だということになった。ペンタゴンは、それはやめて、兵器システムと抱き合わせで企業から操作要員を買い取ることにした。

・民間からの援助を求める傾向に拍車をかけたのは、治安を脅かしかねない組織犯罪集団やテロリストがハイテク機器やハイテク専門家をいつでも問題なく手に入れることができるのに、治安当局の方は装備の点ではるかに遅れをとっているという事実だった。

・今では衛星写真情報をどんな目的にでも利用できるまでになっている。組織犯罪は人身売買やドラッグの密輸に、鉱業は原料の発見に、企業スパイ会社は株式市場での思惑にとそれぞれ用途がある。

・簡単に因果関係を言いたてるよりもっと大切なのは、二つの現象が互いに原因になり、結果になっていることを認めることだ。原因と結果との絡み合いがあって初めて錯雑した実態が生まれるので、これを単純に割り切ってしまうわけにはいかない。

・それぞれが被害は最小、利益は最大をモットーに、目の前のこの混沌状態から抜け出そうとした。

・みんなが口を揃えて、民間軍事会社というのは深刻な問題で、影響するところも大きいから、ただちにこれを取り上げ法制化しなければならないと言い立てるのに、すぐにまた忘れられてしまう。

・すべての大陸で石油採掘地は、民間軍事会社のお蔭で今では「高度の安全地帯」に仕上げられ、反政府勢力なり反乱軍なりはそこには一歩も近付けない。

・第三世界のいたるところに「グローカル」な地域が生まれつつある。つまり局地的(ローカル)に限定された地域でグローバルな市場のための生産が行なわれていて、この領域の安全は大部分が民間軍事会社が担当している。

・主権と武力独占は紙の上ではまだ国家が握っていて、独立国家でございますという形式上の証しをニューヨークの国際連合の席で掲げることはできても、これらの国家は実体としてはほとんど存在しなくなっている。



戦争サービス業―民間軍事会社が民主主義を蝕む

戦争サービス業―民間軍事会社が民主主義を蝕む

  • 作者: ロルフ ユッセラー
  • 出版社/メーカー: 日本経済評論社
  • 発売日: 2008/10
  • メディア: 単行本



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『戦場の都市伝説』 [☆☆]

・21世紀は、9・11とともに幕を開けたといっても過言ではない。

・税関が調べるのはカバンの中身ぐらいで、遺体にはほとんど注意を払わない。その盲点を突くように、麻薬組織はアメリカ人の遺体に麻薬を詰め込み、アメリカへ運び込んでいたのだ。

・パレスチナ紛争や、ボスニア紛争では、戦死した一般庶民の体に地雷や爆弾が仕掛けられた。そのため、地域によっては死体が転がっていても誰もそれを片づけようとさえせず、腐って虫に食われるのを待つしかなかった。

・アフリカ諸国では、現在でも悪魔や魔女が信じられている。魔女裁判のようなことが起きており、年間に何千人、何万人という人が犠牲になっているのだ。

・戦争においてある国の人々が、敵国の残虐行為を噂することは珍しくない。行なわれてもいない残虐行為が真実として語られるのだ。

・中東の墓地へ行くと、ホームレスたちのねぐらになっていることがよくある。それは彼らが幽霊を信じないためだ。

・すでに戦闘で死んだはずの兵士たちが生存していることになり、その給料が請求されていたのである。

・ゲリラ組織の洗脳法ではお守りを利用することが多い。男の子にとりの骸骨を渡して「このお守りは呪術師がお前のためにつくったのだ。これを身につければ絶対に弾丸にあたらない。だから敵に突っ込んでいって相手を殺しまくれ」と言う。田舎で生まれ育った男の子はそれを鵜呑みにして、自分だけは絶対に弾に当たらない、と思って前線で戦うんだ。

・ゲリラ組織は村を襲ってそこに暮らしている子供たちを強制的に連行し、彼らに自分の親や村人の処刑を強いることで、帰る場所を奪い取り、人を殺したという罪の意識を植え、ゲリラ兵として生きるしかないというところに追い詰め、一人前の子供兵にするのだ。

・まずサメからヒレや尾を切り取った後、熱を加えてから皮を剥がす。そうしてできた肉の部分を乾燥させれば、カラカラに乾いたフカヒレの完成だ。加工が簡単で、長持ちすることから、近年はアジアだけでなく中東やアフリカでも生産され、そこから世界各地の中華料理店へ送られている。

・戦争と呪術は密接に結びついている。戦争は数々の呪術を生んできたといっても過言ではないだろう。運が兵士の生と死を真っ二つに分けてしまう。兵士はその運をたぐり寄せようと呪術に頼る。

・絶対的な一神教であるキリスト教やイスラム教の国では、呪術師が次々と出てきたり、奇抜なお守りが流行することは少ない。彼らの頭には「神が守ってくれている」という意識があるために、神とは別の存在を創出しようとはしない。

・イスラムの宗教的な理由から女性の労働者が不十分だということもある。女性の社会進出があまり認められていないため、家政婦、美容師、看護婦といった女性労働者を海外からの出稼ぎ労働者で補わなければならない。

・兵士は住民たちを一列に並べて順番にこう尋ねていく。「お前は長袖がいいか、半袖がいいか」 もし住民が「長袖」と答えると手首を切り落とされ、「半袖」と答えると肘から切断される。半ズボン、長ズボンという選択もあった。膝から切断か、足首から切断かということだ。

・血のダイヤモンドだと知りながら買っていた先進国の人々は、どこかに後ろめたさを抱えていたに違いない。自分は美と引き換えに罪もない人々の虐殺に加担しているのだ、と。そうした罪の意識が少しずつ膨らみ、ダイヤモンドの呪いのような怪談が生まれたのだろう。

・彼らはガス室での処刑を待つばかりの身となり絶望で発狂しそうになった。そこで彼らは話し合い、正気を保つためにあるルールを決めた。まず、収容所の部屋の隅にある椅子に、「架空の女の子」が座っていると仮定した。フランス兵たちはその女の子に名前を付け、毎日話しかけたりする。全員でその子をかわいがることで恐怖を薄めて混乱を避け、団結して生き延びようとしたのである。

・戦争の生き残りは幽霊を怖いとは思わないかもしれないが、次の世代や孫の世代は怖がる。同情はするけど、遭遇したくはない。



戦場の都市伝説 (幻冬舎新書)

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  • 作者: 石井 光太
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2012/09/28
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  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2012/09/28
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『最底辺のポートフォリオ 1日2ドルで暮らすということ』 [☆☆]

・金銭を効果的に管理することは、必ずしも、健康であることや良い教育を受けること、裕福であることと同じくらい重要というわけではない。だが、こうしたより広範な目的は、金銭管理という土台があってはじめて達成される場合が多い。

・貧困世帯にとって金銭の管理がきわめて重要なのは、収入の「額が少ない」ためだけでなく、得られる「タイミングが不確実」なためでもある。

・多国籍企業は、インドの貧困世帯に対し1回分のシャンプーを販売するという解決策を見出した。1つ数セントで購入できる1回分のシャンプーは、大型ボトル容器入りのシャンプーといった製品を購入する余裕のない人々の間で、大変な人気を博すことになった。

・この場合の革新性は、支払金額と世帯のキャッシュフロー・パターンが適合するような方法を発見したことにある。

・事実上、貯蓄と借入はほとんど同じ行為である、ということだ。どちらも少しずつ支払いを行なう──毎週少しずつ預け入れていく、あるいは、毎週少しずつローンを返済していく──という点では同じだ。

・ローンは、まとまった資金を形成するプロセスにおいて、さまざまな方法で「アクセラレータ」として機能する。いうまでもなく、ゆっくりとした経過をたどる貯蓄と違って、ローンを利用すれば即座に現金を手にすることができる。

・カデジャは、年利36パーセントのローンの大部分を金のアクセサリーの購入代金に充てた。貧困者がお金を貯める一番早い方法はお金を借りること。カデジャは、何らかの外的な圧力を受けないかぎり、自力でネックレスの購入代金を貯めるのは無理だろうと思っていた。

・貧困者は利息50セントという条件で10ドルを借り入れて、1日か2日後に返済することがある。年利に換算すると500パーセント以上になるが、それで目の前の問題を乗り切ることができるのであれば、賢明な判断といってもいだろう。パーセントで示された利率が天文学的だったとしても、実際に金額で見れば大した出費ではない。

・当然のことながら、全員が交渉に長けているわけではないので、すべての顧客が同等の条件で扱われることは滅多にない。

・イスラム暦とグレゴリウス暦の違いのためラマダーンの時期は毎年2週間ずつ早まる。



最底辺のポートフォリオ ――1日2ドルで暮らすということ

最底辺のポートフォリオ ――1日2ドルで暮らすということ

  • 作者: ジョナサン・モーダック
  • 出版社/メーカー: みすず書房
  • 発売日: 2011/12/23
  • メディア: 単行本



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