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『戦場の都市伝説』 [☆☆]

・21世紀は、9・11とともに幕を開けたといっても過言ではない。

・税関が調べるのはカバンの中身ぐらいで、遺体にはほとんど注意を払わない。その盲点を突くように、麻薬組織はアメリカ人の遺体に麻薬を詰め込み、アメリカへ運び込んでいたのだ。

・パレスチナ紛争や、ボスニア紛争では、戦死した一般庶民の体に地雷や爆弾が仕掛けられた。そのため、地域によっては死体が転がっていても誰もそれを片づけようとさえせず、腐って虫に食われるのを待つしかなかった。

・アフリカ諸国では、現在でも悪魔や魔女が信じられている。魔女裁判のようなことが起きており、年間に何千人、何万人という人が犠牲になっているのだ。

・戦争においてある国の人々が、敵国の残虐行為を噂することは珍しくない。行なわれてもいない残虐行為が真実として語られるのだ。

・中東の墓地へ行くと、ホームレスたちのねぐらになっていることがよくある。それは彼らが幽霊を信じないためだ。

・すでに戦闘で死んだはずの兵士たちが生存していることになり、その給料が請求されていたのである。

・ゲリラ組織の洗脳法ではお守りを利用することが多い。男の子にとりの骸骨を渡して「このお守りは呪術師がお前のためにつくったのだ。これを身につければ絶対に弾丸にあたらない。だから敵に突っ込んでいって相手を殺しまくれ」と言う。田舎で生まれ育った男の子はそれを鵜呑みにして、自分だけは絶対に弾に当たらない、と思って前線で戦うんだ。

・ゲリラ組織は村を襲ってそこに暮らしている子供たちを強制的に連行し、彼らに自分の親や村人の処刑を強いることで、帰る場所を奪い取り、人を殺したという罪の意識を植え、ゲリラ兵として生きるしかないというところに追い詰め、一人前の子供兵にするのだ。

・まずサメからヒレや尾を切り取った後、熱を加えてから皮を剥がす。そうしてできた肉の部分を乾燥させれば、カラカラに乾いたフカヒレの完成だ。加工が簡単で、長持ちすることから、近年はアジアだけでなく中東やアフリカでも生産され、そこから世界各地の中華料理店へ送られている。

・戦争と呪術は密接に結びついている。戦争は数々の呪術を生んできたといっても過言ではないだろう。運が兵士の生と死を真っ二つに分けてしまう。兵士はその運をたぐり寄せようと呪術に頼る。

・絶対的な一神教であるキリスト教やイスラム教の国では、呪術師が次々と出てきたり、奇抜なお守りが流行することは少ない。彼らの頭には「神が守ってくれている」という意識があるために、神とは別の存在を創出しようとはしない。

・イスラムの宗教的な理由から女性の労働者が不十分だということもある。女性の社会進出があまり認められていないため、家政婦、美容師、看護婦といった女性労働者を海外からの出稼ぎ労働者で補わなければならない。

・兵士は住民たちを一列に並べて順番にこう尋ねていく。「お前は長袖がいいか、半袖がいいか」 もし住民が「長袖」と答えると手首を切り落とされ、「半袖」と答えると肘から切断される。半ズボン、長ズボンという選択もあった。膝から切断か、足首から切断かということだ。

・血のダイヤモンドだと知りながら買っていた先進国の人々は、どこかに後ろめたさを抱えていたに違いない。自分は美と引き換えに罪もない人々の虐殺に加担しているのだ、と。そうした罪の意識が少しずつ膨らみ、ダイヤモンドの呪いのような怪談が生まれたのだろう。

・彼らはガス室での処刑を待つばかりの身となり絶望で発狂しそうになった。そこで彼らは話し合い、正気を保つためにあるルールを決めた。まず、収容所の部屋の隅にある椅子に、「架空の女の子」が座っていると仮定した。フランス兵たちはその女の子に名前を付け、毎日話しかけたりする。全員でその子をかわいがることで恐怖を薄めて混乱を避け、団結して生き延びようとしたのである。

・戦争の生き残りは幽霊を怖いとは思わないかもしれないが、次の世代や孫の世代は怖がる。同情はするけど、遭遇したくはない。



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