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『ザ・ディベート 自己責任時代の思考・表現技術』 [☆☆]

・日本海海戦の勝ち方にしても、こういうデータがあったから勝ったのだと、クールに、客観視して、自分を絶対化せずに相対化するジャーナリズムがあったらなと思うのです。そういうレベルの言論があれば、太平洋戦争は起こらなかったと思いますね。日本軍は満州事変以後、自己を絶対化することによって国を誤っていくわけです。

・戦前の「一億総玉砕」なる言葉は、戦後「一億総バブル」となり、全体が同じ方向に向いてしまう傾向は、時として戦後の経済成長のような強みを発揮しますが、歯止めが効かなくなったり、みんなが同じ間違いを犯してしまう危険性を常にはらみます。

・ディベートは物事の持つ二面性を複眼的に見る目を養い、あらゆることに疑問を投げかける冷静さを持たせ、客観的な根拠に基づく合理的な判断力を育てます。

・ディベートで扱うのは二者択一まで煮詰まった問題(争点)ですが、これは意思決定、問題解決をその目的としているためであり、あくまでもどちらがより優れた方策であるかを決定するためのものであります。もしどちらかに決める必要がないのであれば、ディスカッションやアイデアを出し合うブレーンストーミングでよいわけです。

・ディベートはあくまで客観的なものの見方を養うものであり、自分の意見とは違う立場に立つことで、相手の立場になってものを見たり、考えたりする訓練となります。

・客が息を吸った時に面白いことをポンと言うと、吐く息でどっと沸くんです。これが客をつかむということで、そのコツは客との間。

・「参議院があってよかったな」と今まで生きてて思うことがあったでしょうか。

・政策の根底には、共和党の場合、個人の自由や市場の自由競争を最大限尊重し、政府の役割をできるだけ限定し小さな政府にしようという保守思想があるのに対して、社会福祉によって弱者を救済し、公正さを保証することでより個人の自由や権利が尊重されるとする民主党のリベラル思想があります。

・時の細川総理は「大きな政府、小さな政府というよりは、中くらいの政府です」というような答弁をして、唖然とさせられましたが、その言葉からは国家のあるべき姿や方向性を示す理念といったものをどう考えているのか、うかがわせるものは何もありませんでした。

・日本のことを、「ディベート無き民主主義(Debateless Democracy)」と揶揄すると、外国人は笑いますが、その表現自体が矛盾なのであり、本来ディベートがない、あるいは許されないのは、全体主義か独裁主義の国やワンマン、上位下達の組織でしかありません。



ザ・ディベート―自己責任時代の思考・表現技術 (ちくま新書)

ザ・ディベート―自己責任時代の思考・表現技術 (ちくま新書)

  • 作者: 茂木 秀昭
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2001/04/19
  • メディア: 新書



ザ・ディベート ――自己責任時代の思考・表現技術 (ちくま新書)

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  • 発売日: 2001/04/19
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