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『χの悲劇』 [☆☆]

・肉体労働はね、それをする人たちがちゃんといるわけで、彼らの仕事を取っちゃいけない。軽い親切は仇となるのよ、時と場合によっては。

・言葉にすることはできない。名称がなかったからだ。意図的に、名称を作らなかった。データになること、話題になることを避けるためだった。

・修正の指摘が的確かつ具体的にできる人間は限られる、通常は、エラーが起こるようなわかりやすいミスは残っていない。ある程度の試用期間を経て初めて不具合が表面化する。

・ノスタルジィは、結局のところ、無駄な溜息しか生産しないものだ。後ろ向きに歩いたら、ろくなことにはならない。

・各国で活躍した車両を買い上げ、改造した上で走らせている。経費を節約するためではなく、各国の特徴のある車両が走っていることが、観光客にアピールするという目論見らしい。

・ハードでもソフトでも、すぐに使えなくなってしまう。考えてみれば、その劣化の特性がデザインや思想に盛り込まれていないためだ。

・腐っていようが、朽ち果てていようが、金庫の中身を持ち帰るのが自分の使命だ。この世界の達人が残した格言がある。「評価は別のところがする。そんなものに惑わされるな」

・自分が使われている意味を知った。自分が優れているのではなく、自分を使った者が優れているということだ。

・今の人間には、電子信号によるネットワークが不可欠なものになってしまった。ネット以外では、共同作業ができないほどになった。

・人の格差を技術が作り出す。技術を手にした者は、社会を容易にコントローすることが可能になった。

・あと一歩の積極性が、自分には欠けているのだな、と考えた。なんとなく億劫に感じてしまうのだ。その結果が、今の自分か……、と小さく舌打ちした。

・あまりにも新しく、あまりにも理想的だった。だから美しく、正しかった。それは、大多数の不純と相容れず、それを粛正し犠牲にする。

・退屈なの。いつも、何かいじっていないと駄目な人だから。いらいらするような細かいことをしていないとね、いらいらしちゃうわけ。

・融通の効くタイプを作るのは大変だが、特定の目的でスクリプトを書くのは非常に簡単だ。プログラムの難しさというのは、ユーザが何をするかわからないところにある。自分が使うものは、未知数がすべてわかっている方程式くらい馬鹿馬鹿しく簡単なのだ。

・「その……、命とは何ですか?」 「そう。そのとおりです。その問いが、すなわち命なの」



χの悲劇 (講談社ノベルス)

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タグ:森博嗣
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