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『シリア難民』 [☆☆]

・アサドがスンニ派原理主義者を多数釈放したせいもあり、反政府勢力はジハード主義者たちに乗っ取られつつあった。反政府勢力が過激化すれば、中立的な市民の間では、悪いのは反体制派だというイメージが広がるし、対立の焦点を政治から宗教にすりかえられる――アサドはそう考えたようだ。

・ボートピープルがヨーロッパを目指すのは、寛容な社会福祉制度に寄生したいからだ、と。

・総人口に対する難民発生率では、エリトリアは世界一だ。

・その意志を彼らが簡単に曲げるとは思えない。彼らは故郷でのたれ死ぬよりも、ヨーロッパを目指して死ぬほうがましだと思っている。その「必死度」は、ヨーロッパの孤立主義よりもはるかに強い。

・その狙いは、記事で自分を「ハッジ」と書いてほしいといった理由と同じなのではないか。ハッジとは、メッカに巡礼したイスラム教徒を意味する尊称だ。つまり彼は密航業者だが、倫理観のある密航業者だと思われたくて仕方がないのだ。

・リビアではフェイスブックをやっている密航業者はあまりいなかった。まだ3G接続が珍しいから、ソーシャルメディアで自分のビジネスを宣伝することが一般的になっていなかったのだ。だが、エジプトとトルコでは多くの密航業者がフェイスブックでグループをつくっていて、宣伝にも余念がない。

・密航業者が国際海洋法を熟知していて、それを乱用しているのは間違いない。国際水域にいる船が救援を要請したら、国際海洋法により、近くにいる船は助けに行く義務があることを彼らは知っている。

・でも決心は変わらなない。フランス語の「死んだヤギには肉屋の包丁だって怖くない」ってことわざのとおりさ。

携帯電話のGPSのおかげで、密航業者の助けを借りなくても、自力で踏破できることがわかってきた。また、「先駆者」たちがフェイスブックやワッツアップといったソーシャルメディアで自分の経験談やコツを公開したため、このルートはますます広く知られるようになった。

・新しいルートを切り拓くには、フットワークがよく、冒険心のある若者が必要だ。今は家族連れが多いから、平均的な難民たちはグループで物事を決めたがる。

・そうだ、いつでもどこでも、誰かに遭遇する可能性はある。そして誰もがいい人とは限らないのだ――。

・不運な人々を保護するというヨーロッパ的な責務を捨ててしまったら、どんな価値観が残るというのか。ヨーロッパの社会の基盤がほころんでしまったら、難民たちがその基盤を守ろうとするはずがない。

・ここにはよりよい暮らしがあることを(難民たちに)示せなければ、難民たちは、自分たちの倫理観のほうが優れていると思うだろう。

・難民たちはヨーロッパで、自分たちの価値観よりも優れた道徳基準を目にする必要がある。さもなければ、彼らは独自の道徳基準を設定するだろう。

・前回ヨーロッパでこうした聖書的な人口移動が起きたのは第二次世界大戦だが、その流れが本格化したのは戦後のことだ。シリアも同じかもしれない。

・移民危機がギリシャの島から、オーストリアの高速道路とハンガリーの駅を経由して、ドイツの体育館まで広がったのは、同じヨーロッパでも、国によって難民の扱いが違ったからだ。

・難民は、自分たちに最も安定した地位を与えてくれる国を目指す。

・何の苦労もなく/生きたいように生きていきたい/他人の金で。/そうだ/難民しよう!



シリア難民 人類に突きつけられた21世紀最悪の難問

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