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『夜を乗り越える』 [☆☆]

・『告白』の熊太郎は、あの頃の僕を思い出させてくれました。というよりも、『告白』によって、あの頃の自分の気持ちが具体的に整理できたのかもしれません。

・この主人公、めっちゃ頭の中でしゃべっている。俺と一緒ぐらいしゃべっている。

・自分を不安にさせる、自分の中にある以上と思われる部分や、欠陥と思われる部分が小説として言語化されていることが嬉しかった。

・人生は決して長くない。短めに寿命を設定してその限られた時間で何をやるか決める。生き延びたら、また設定し直す。

・あらゆる小説に触れることによって、視点を増やすことができました。

・内容を変えずに文章を短くできたときの感動は、テトリスでずっと待っていた長い棒がようやくきた時と同じような快感をもたらします。

・誰にでも青春の中で駄目な時期はある。でも人が死なない限り、それはバッドエンドじゃなくて途中なのだ。

・時代を作ってきた作品は、全部上に叩かれ、若者に支持されてきた。偉い人たちに褒められに行く作品ではなく、ジジイに怒られる作品を作らないといけないという意識はずっとありました。

・僕が本を読んでいて、おもしろいなあ、この瞬間だなあと思うのは、普段から何となく感じている細かい感覚や自分の中で曖昧模糊としていた感情を、文章で的確に表現されたときです。自分の感覚の確認。つまり共感です。

・わかっていることをわかっている言葉で書かれていてもあまり共感はしません。言葉にできないであろう複雑な感情が明確に描写された時、「うわ、これや!」と思うんです。

・自分の中に「俺はこう思う」という人間と「それ本当?」という人間が、せめてふたりぐらいいた方がいいんじゃないかと思います。

・「絶対にそうだよ」と断定するのが口癖の人がいますが、「絶対」という言葉は使い方によっては可能性を狭めてしまうので気をつけた方がいいと思うんです。

・道徳的規範からはみ出した者に対して世間は容赦ないですよね。二択で決着をつけようとしすぎです。

・二択で決めようとすると善悪ではなく人数が多い方が正義になることが多い。

・縁起担ぎで毎年一冊目は『人間失格』と決めて読んでいました。そうすると毎年おもしろくなっていることに気がつきました。

・事実をありのまま話したとしても、その時の感動や興奮を伝えられないなら、それはそれで嘘なんじゃないかとも思うんです。

・男性が書くと反発があるようなことも、女性の言葉で書くと、女性が女性のことを言う分にはあり。

・十年くらい人生を棒に振ったら、「人生十年棒に振った」という武器を手にすることができます。この強さはなかなか誰にでも持てるものではありません。

・今ここで死んだらどうなるのか。いや、あかんあかん。いや、違う。怖い怖い、と思い直します。その時に怖いと思えない瞬間が、芥川には来てしまったのでしょうか。

・「ボケ」はその人が本当に思っているから成立します。少なくともそれを嘘だと感じさせてはいけません。

・三島と太宰はそれぞれ自分にコンプレックスを持っていました。それを武器にする太宰と体を鍛えて跳ね返す三島。

・簡単に言いますが「自分に自信を持とう」という言葉は僕にとって、「翼は無いけど飛んでみよう」と同じくらい難易度の高い言葉です。

・賢い人でおもしろい人もたくさんいますけど、アホでおもしろい人はその倍います。アホの方が絶対数多いですからね。



夜を乗り越える(小学館よしもと新書)

夜を乗り越える(小学館よしもと新書)

  • 作者: 又吉 直樹
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2016/06/01
  • メディア: 新書



タグ:又吉直樹
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