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『意識はいつ生まれるのか 脳の謎に挑む統合情報理論』 [☆☆]

・「意識の科学的説明」の名に値するものは、データや数字で証明しうるのみならず、感覚的に納得でき、腑に落ちるものでなければならない。

・小脳が摘出され、外科手術用の廃棄物容器に捨てられても、意識は残る。小脳には、頭蓋内の総ニューロン数のうち、四分の三以上がつまっているのにも関わらず、闇も、光も、青も見分けられない。

・視床-皮質系広範囲の損傷を受けたり摘出されたりすると、意識がなくなる。

・夢の中では批判的な見方ができにくくなっていることは確かで、論理は吹っ飛び、奇妙な出来事をあれもこれも、変だとは思わずに受け入れる。

・謎を解く鍵は、まだ特定されていない遺伝子でも、まだ発見されていない分子でもなく、頭蓋骨内の灰色でふにゃふにゃした物質の、いったいどこに隠れているのかわからないマジカル・ニューロンでも、新技術でもない。その鍵は、新しい理論、新たな一般法則なのだ。

・自然淘汰によって進化を遂げる事象は、ダーウィンが『種の起源』を書く前にも、その辺にごろごろころがっていたはずである。すでに目の前にある事象を、新しい理論の光に照らして解釈し、整理することが必要だったのだ。

・統合情報理論の基本的な命題は、ある身体システムは、情報を統合する能力があれば、意識がある、というものだ。

・「情報」の定義は「不確実性を減らすこと」と結びつけられ、「情報量」は、ある事象が起きたとき、その事象によって代わって起こりえたのに起こらなかったことの数が大きければ大きいほど多い、とされてきた。

・情報量はビットという単位で表され、存在しうる選択肢の対数に等しい。コインの場合なら、可能性はふたつしかないので、情報力は1ビット(log2(2)=1)だ。さいころの場合は、六つの可能性があるので、情報量は2.58ビット(log2(6)=2.58)になる。

・線虫の一種、カエノラブディティス・エレガンスの脳は、わずか302個のニューロンからなり、ニューロン間を8000個のシナプスがつないでいる。

・「暗い」と思ったり、想像したり、夢に見たりするとき、「闇でないものすべて」との関連で、「暗い」と感じるのだ。「闇ではなく、ほかのものでありえたかもしれない」ものの選択肢がそろってはじめて、全視床-皮質系を挙げての無数の選択肢があってはじめて「闇」なのだ。

・経頭蓋磁気刺激法の歴史は、20世紀初頭に始まる。そのころでき始めていた発電所において、作業員たちに奇妙なことが起こっているというニュースが広まっていた。幻覚を見たり、目がチカチカしたり、突然まぶしさを感じたりする、というのだ。作業員が、高圧電力が流れる銅線の巨大なコイルに近づいたときのみ、こういった症状がみられることがわかった。

・物質の質量は、昔から、「力が物体を動かそうとするときに、物体の慣性によって生まれる抵抗の値」と定義されている。つまり、質量の定義を支えているのは、「物体に刺激を与えたとしたら、その物体は潜在的にどう反応しうるか」という考えである。

・計算しなくても、質量は存在する。計算しなければ質量は存在しない、なんて聞いたことがない。

・あらゆるもの(it)――粒子やベクトル場、空間や時間――の機能、意味、存在は、二択(bit)の繰り返し、つまり情報から生まれる。

・大人になる、といっても、大人になるのに十分な時間がたったにすぎない。

・脳の発達は、すでに脳内にあるつながりが消えることによって起こる。新しいつながりが加わるよりも、消滅するほうが、脳の発育に貢献するのである。

・初期段階では、すべてがすべてと一律につながる傾向がある。そして、選別され、洗練されていく。刺激をたいして受容しない接続が徐々に消え、活発に受容するものが残る。

・われわれ自身が、われわれの行動の最初の原因になるとき、われわれは自由だといえる。

・ガリレオの文章も、文の構成要素に分けて改行し、すべての行を中央揃えにすると文字「X」のような形が現れる、というスタイルの工夫がみられるそうだ。

・大声で意見を押しつける者とだまったままの者がある状態では意識が発生しない。

・「多様性があり、同時に統合もある」という状態が至難のバランスの上に成り立っていることが理解できる。

・ゴミを捨てながら、まだ捨てていないものから自分のアイデンティティーを理解できると思い至った。



意識はいつ生まれるのか――脳の謎に挑む統合情報理論

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  • 作者: ジュリオ・トノーニ
  • 出版社/メーカー: 亜紀書房
  • 発売日: 2015/05/26
  • メディア: 単行本



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  • 出版社/メーカー: 亜紀書房
  • 発売日: 2015/05/25
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