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『どアホノミクスの正体』 [☆☆]

・Donald Trumpのtrumpの後にeryをつけるとtrumperyになる。これでトランペリーとなる。このトランペリーの意味を辞書で引けば、次の通りだ。「見かけ倒しの無価値な物、くだらない物……がらくた」。ね? 名は体を表す。

・幼児的凶暴性は、実を言えば、とても防御的だ。自分が攻撃されたと思うと、パニックに陥ってしゃにむに反撃する。被害妄想に基づく自己防衛だ。

・歴史の表舞台はたいてい勝者の史観でつくられたものです。敗者の史観は大衆小説作家が書き残すもの。敗者の史観は敗者自らによって語られるのではなく、第三者によって語られる。

・アチーブメント志向で、権力の中枢にいたくて、追いつめられると我を張ってむきになってしまう。いつも正しいと思われていたいがゆえに嘘をついてしまう。

・ヒラリーがここまで来られた唯一の理由は、彼女が女性だったからかもしれない。男性だという他に何の取り柄もないのにいいポジションについている人がいるのと同じように、ある意味では、女であるという以外に取り柄がない。ヒラリーが男だったら全然だめだったかもしれない。

・国民皆保険的な社会保障制度をあそこまで敵対視するという発想が幼稚ですし、その意味を理解しようとさえしていない。そのような人がトランプ勝利の原動力となってしまった。

・国々が交易を通じて互いに依存し合うことが、喧嘩の歯止めになる。そこからさらに踏み込んで考えると、ひょっとすると世界中の国々が食料自給率がゼロになることが、全世界的に相互依存的に生きるための理想的な姿なのではないかとも考えるのです。

・国家に公を独占させないということですね。日本の場合、特にそれを強調しておく必要がある。国家と言えば、すなわちそれが公共であるかのような誤解がありますから。

・安倍政権は、何を保持=コンサーブしようとするのか。彼らは民衆の生活ではなく、たとえば天皇制をコンサーブする姿勢を打ち出す。

・天皇制は伝統があるものだと言われているけれども、国民に写真を毎日拝ませなければ維持できなかったような弱い伝統なのだろう。

・最初に採算を考えるのは、実は経済活動の本来の考え方ではありません。市場がどういう経緯で成立したかというと、はじめに人々のニーズがあったからで、ここで市場を作れば採算が取れるという発想から始まったものでは決してない。

・スターリン体制下では、文化領域では切手収集家とエスペランティストが顕著に弾圧されました。切手収集家は国際性を持つ趣味ですよね。海外との文通という国際性の窓になり得る。

・過去にあり得なかったこと、あり得たかもしれないことも、歴史の教訓なのだと思います。

・いやしくもジャーナリズムというのならば、必要以上に発行されたお札はすべて偽札であると論じるくらいの視点を持て。

・信用されているかどうかが、通貨が通貨であるかないかの核心です。その意味ですべての通貨は基本的に仮想通貨なんです。

・記者の先には一般の人たちがいて、記者たちはその代理として質問をぶつける役割がある。どうして「そんな言われ方をしてもわかりませんよ」と言わないのでしょうか。政権側とメディアが業界用語を共有して同じ穴の狢になってしまっていることも、人々が経済を権力側に委ねてしまうという問題を増幅していると思います。

・白無垢が一番汚れやすい。「自分は中立です」とか「私は左派ではない」とか言う人が多いけれども、そんなものは人が評価することであって、自分で自己判定する必要はない。

・レッテル貼りなど、したい人にさせておけばいいんです。ダンテが言うところの「汝の為すべきことを為せ。そして、人をして語らしめよ」です。

・彼らがトリクルダウンと称してやろうとしていることの理念を問うことには理性が用いられず、トリクルダウンによってもたらされる作用や効果を述べることにのみ理性が使われていく。

・夏休みには「ヨーロッパに遊びに行く」という言い方をするのが、昔のイギリス的な感覚でした。つまり自分たちをヨーロッパの人間と思っていない。日本人もアジアというと、エキゾチックな印象を持ちますよね。自分たちにとっては異邦的なるものとして捉えている。

・官僚がはびこる社会は、言葉に対して責任がなくなる。立場が変わると、言うこと、やることを平気で変えるのが官僚です。

・鈴木宗男が土下座した。片山さつきも土下座していた。人々の中には、政治家の先生が土下座までしてくれたと喜ぶ人もいます。しかし私は、土下座をする人は、人に土下座をさせて平気な人だと思う。

・アダム・スミスが『道徳感情論』で、人間の始原の感性は人のために泣けることだと言っている。

・「リーダーシップが不在だ」などという言い方が近頃やたらと出てきますが、そんなに皆リードしてもらいたいのかと、私は不思議に思います。

・知識の切り売りに過ぎない。知識は考えるための素材に過ぎないのに。

・行間を読む能力、時代の本質的な危機を察知する能力、人の表情を見抜く能力、嘘を見破る能力……そういう生きた感性が弱くなっている。

・何か言われたら、皆が一斉に調べ始めて、そして同じサイトに到達する。だから結局、同じ回答になって、それで安心する。

・テレビのニュース番組で「自分にとって今年の一文字は?」と問われた安倍が、「変化」と答えた。キャスターが慌てて「一文字でお願いします」と訊くと、今度は「責任」と言う(笑)。一と二の区別がつかない。

・安倍が何を学んだかがよく見えてきます。「三本の矢」や「エンジンを吹かす」など、今日的メディアが使いやすいキャッチーな言葉を使う術を学びましたね。その証拠に、メディアが彼らから押しつけられた言葉をそのまま使うという傾向が大変強い。メディアが一度使った言葉は、またそのまま政権側が使う恐怖のキャッチボールですね。

・知性を疑われたくないという委縮、減点成果主義に対する委縮の傾向が世の中で強くなりすぎている。



大メディアの報道では絶対にわからない どアホノミクスの正体 (講談社+α新書)

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  • 作者: 佐高 信
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/12/21
  • メディア: 新書



大メディアの報道では絶対にわからない どアホノミクスの正体 (講談社+α新書)

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  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/12/20
  • メディア: Kindle版



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『キャスターという仕事』 [☆☆]

・テレビが伝える内容は単純で、複雑なことは伝えません。苦痛や飢餓を映し出して伝えることはできますが、複雑な政治問題や思想、様々な行為の重要性について伝えることはできないのです。

・わかりにくいことを、わかりやすくするのではなく、わかりやすいと思われていることの背景に潜むわかりにくさを描くことの先に知は芽生える。

・読んだり書いたりしていても、自分で使うとなると敷居の高い表現がある。しかし、自分で聞きながらその言葉を実際に使うことで、遠かったボキャブラリーが自分の中で使えるものに変わっていく。

・「クローズアップ現代」が目指したのは、情報をせき止め、ニュースの底流にある意味と変化を見つめることだった。

・テーマのすべてを知る必要はない。むしろ最初に抱いた疑問を忘れないようにする。

・もの知りになってしまうと視聴者との距離が離れる。

・キャスターの役割は、「自分の言葉」で語ることだと思ってきた。しかしそれは、「個性」を打ち出すことや「個人の主観」「私見」を語ることではない。

・新しい事象に「言葉」が与えられることで、それまで光が当てられずにきた課題が、広く社会問題として認識され、その解決策の模索が急速に進むということがある。

・トーク番組やバラエティ番組に求められるのが手持ちの言葉をどう操るかということだとすれば、ニュース番組というのは、その時まではなかった出来事を前にして、それをどう言い表すかという言葉を見つけないと届かない。

・「ねじれ」状態の中で行なわれた参議院選挙も、「ねじれ」状態を解消することが正常化すること、つまり衆議院と同じ政党が多数派になることが「正常」であるとの見方を流通させることにつながったとは言えないのだろうか。これはある意味、投票誘導行為にもなりかねない。

・曖昧な言葉で質問すると曖昧な答えしか返ってこないが、正確な質問をすると正確な答えが返ってくる。

・変わるというより壊れていく、それまで当たり前だった様々なこと。

・パニックを恐れた政府、自分たちの報道が混乱を引き起こすことを懸念し、安心安全情報を流すことに傾きがちだったメディア。



キャスターという仕事 (岩波新書)

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  • 作者: 国谷 裕子
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2017/01/21
  • メディア: 新書



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  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2017/01/20
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『Ank:a mirroring ape』 [☆☆]

・大学は善で、民間は悪という科学研究にありがちなレッテルを貼られる。

・AIはレゴの完成図だろうと、透視図だろうと完璧に描ける。ロボットアームを使って、すばやく組み立てることもできるだろう。だが「今日はレゴで遊んでみよう」とは絶対に思わない。そうプログラムされていない限り。

・対象が将棋にしろ、レゴにしろ、AIには基本的にわけがわかっていない。

・ネガティブな面での見解が一致しているというのは、問題の本質も非常によく似ているということだ。

・友好度は知能と比例する。

・チンパンジーをリラックスさせる部屋は、ときとして人間の幼児の遊戯室と変わらない。そんな遊戯室でチンパンジーが楽しめるのは、彼らの知性が限界まで発達したとしても人間の二歳程度でしかないからだ。どれだけすぐれた個体もその先には進めない。

・チンパンジーにとっては立体パズルに取り組むだけでも、大変な知能を要する。何がゴールなのかを理解できなければ、パズルが決して完成しない。

・ただ詩が好きなだけの老いぼれさ。有名なものだけ、頭の中にコレクションがあるんだ。旅をするときにかさばらないから。

・「自撮り」という行為がある。その行為の中で、危険な場所に行き、より刺激的な自分自身の鏡像を手に入れようとして命を落とす、という事故が起きる。それらの人々は、戦地に赴いた報道写真家ではない。ただ、自分の鏡像を得ようとして、死に至るのだ。

・人は鏡に映った自分を見ているとき、その像が自分であり、かつ自分ではない、と同時に理解しているのです。どちらか一方はあり得ません。どちらか一方であれば、人は鏡を見ても、それが自分だとわかりません。もしくは、自分が写り込んだ鏡を、命懸けで守るはめになるでしょう。

・模倣ではなく、あたかも相手を映す鏡になったかのように、無意識のうちにおこないのが、ミラリングである。

・知性とは攻撃性の制御です。

・ありとあらゆる冷静な状況判断をはぶいて、原始的行動を脳に選ばせる緊急事態、それが恐怖だ。

・根拠(エビデンス)。科学的見地。どちらもそろっていない。それを提出できなければ、組織は沈んだ船のように動かないのもわかっている。

・日本の面積が、地球の全陸地のちょうど0.25パーセントなのです。



Ank: a mirroring ape

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  • 作者: 佐藤 究
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/08/23
  • メディア: 単行本



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  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/08/22
  • メディア: Kindle版



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