So-net無料ブログ作成
検索選択

『テクノロジーは貧困を救わない』 [☆☆]

・アメリカの貧困率は1970年までは着実に下がっていた。だが1970年頃に減少は止まり、それ以来、貧困率は頑なに12-13パーセントの水準を維持している。

・テクノロジーが世界にどれだけあふれていようとも、人が変わらなければ社会は変わらない。

・インドはIT超大国として世界の舞台へと一気に駆け上がってきたが、その現象に参加しているのはこの国のごくわずかな層にすぎない。教育を受けたエリートだけだ。残る8億人は1日2ドル未満で生活。

・テクノロジーは、すぐれた教師や優秀な学長の不在を補うことは決してできなかった。

・テクノロジーを自由に使えるようにしても、教科書を自由に使えるようにする以上に学習に影響を与えることはできないのだ。

・要するに、学校制度の品質はそこにいる教師の品質より良くはならず、コンピューターを含むどのような教育リソースが使えても関係ない。

・人に何かを理解させようとするのは難しい。特に、それを理解しないことで給料をもらっている場合には。

・テクノロジーは、良くも悪くもない。かと言って中立でもない。

・革命にとってソーシャルメディアは必要でもなければ、十分でもないのだ。ソーシャルメディア革命に対する主張は、相関関係と因果関係の混同という典型的な間違いを犯している。

・ツイッターが抗議行動の効果的なツールというよりは、外の世界からこの出来事を覗き見するためのツールに過ぎなかった。

・インターネットはそれ単体では何も変えることができない。だが既存の力を増幅することはできる。

・テクノロジーは現実のつながりを邪魔しているわけではない。問題は、テクノロジーが薄っぺらで中身のない交流を簡単に持てるようにもしているということだ。

・一部の人々がスマートフォンをいじるのがやめられない理由は、「FOMO=Fear Of Missing Out (取り残される恐怖)」――もっと楽しいパーティ、もっと楽しい夜、もっと楽しい人生に乗り遅れるのではないか、という恐怖だ。

・支出される医療費の1ドル1ドルが、誰かの医療所得になる。その所得はそのまま国内総生産になるわけで、GDPは高い方がいい。そうだろう。

・サイバー小国乱立化(バルカニゼーション)の怖いところは人々が急進的に、そして狭量になり、「自分とは異なる価値観の人々に、重要な決定を委ねなくなっていく」ことだ。

・「増幅の法則」の下では、テクノロジーは――たとえ平等に分配されたとしても――格差をつなぐ橋ではなく、隙間を押し広げるジャッキの役割を果たす。既存の格差を広げるだけなのだ。

・中国の検閲制度は、草の根で集団行動に触れるもの、扇動するもの、あるいは何らかの形で結びつくものはすぐ敏感に反応する。政治的ではない内容でも集団行動に関する投稿はすぐさま消されてしまう。

・政権は、国民が国に不平を訴えなくなった時点で崩壊する。国家にとっての本当の危機は、国民が公然と不満を訴えなくなったときに訪れるのだ。

・どの製品が成功するかを決定づけるのは技術的なデザインよりも人の嗜好だ。

・意志と能力は無条件に引き出せるものではない。構築する必要がある場合が多いのだ。教育の価値は誰しも認めるとことだが、目標に向けて1日何時間もの勉強を毎日毎日、何年間も続けられる者は多くない。

・先進国の一部でも、自閉症などの問題を引き起こす原因になるという誤解を理由に、ワクチン接種を拒否する人々がいる。

・パイロットテストが成功する場合が多いのは、新しいプログラムにかける意欲が強く、優秀な人材がそろっているからだということだ。プログラムが無関心な官僚に引き渡されれば、失敗する。秘伝のソースはプログラムの詳細ではなく、実施者の方なのだ。

・マイクロクレジットはより良い暮らしをもたらすことが「できる」。だが「できる」は必ずしも「する」と同義ではない。現代社会は最先端機器をやみくもに信奉しがちだが、電源を入れるのは人間の指であって、操作するのは人間の手だ。

・アップルが利益を上げているのはすぐれた製品を作っているからだけではなく、世界で最も裕福な人々を市場に選んでいるからだ。

・スラックティビスト。「怠ける slack」と「行動主義 activism」を掛け合わせた、労力を伴わずに社会運動をする人々を指す造語。

・GDPは景気後退から回復したが、雇用は回復しなかった。よい指標とは国の全体的な幸福と相関しているものであるはずだ。これほど多くの人々がみじめなままでいるのに改善し続ける指標など、なんの意味があるのだろうか?

・幸福を調べる心理テストでは、現在の気分やこれまでの人生に対する満足度を尋ねる設問が並ぶ。これらの指標によると、幸福量は過去と現在によって決まるということになる。だが、私たちの潜在的幸福は未来にあるものだ。

・テクノロジー至上主義者は、「測定できないものは、管理できない」と言いたがる。だがこれはまったく間違っている。私たちの多くは友人や家族との関係を測定せずに管理している(指標がないと人間関係を管理できないなどという人がいたら、逆に心配だ)。

・私は、生徒たちには自分で学びたいことを発見させたい、という騎士気取りな野望を抱いていた。だが代わりに子供たちが発見したのは、私がなめてかかれる相手だということだった。

・テクノロジーが人的能力を増幅させるものなら、結果が思わしくない場合には適切な人的能力が整っていないことがほとんどだ、ということになる。

・テクノロジーは、富と成功における既存の格差を増幅する。もともと語彙が多い子供は、ウィキペディアからより多くを学ぶことができる。行動に問題のある生徒は、ビデオゲームに気を散らされる可能性が高い。

・そうですよね、人々が望んでいるもの以上の何かを押しつけても意味がありませんよね。

・非常に貧しい人でも、高額な高機能スマートフォンを買うために一生懸命働くそうだ。その根底にあるのは、地位と国際人としての洗練という願望だ。

・私はある種の達成感を求め、称賛を欲していた。他人の評価など気にしないほうがいいと心のどこかでわかっていたものの、その願望は根が深く、理屈では自分を説得することができなかった。

・大人として扱ってほしいと言うなら、私たちは大人らしく振る舞うべきではないだろうか? では、いつになったらそれを始めるつもりなのだろう?

・「スターウォーズ文明」についてたびたび触れている。そこに見られるのは神業的なテクノロジー、中世時代めいた組織、そして石器時代並みの感情だ。

・自分より遅く運転しているやつはみんなバカだし、自分より早く運転しているやつはみんな頭がおかしい。

・能力を褒めるよりも努力を褒める(それにより成長思考へと導く)ことのほうが、子育てには良い。



テクノロジーは貧困を救わない

テクノロジーは貧困を救わない

  • 作者: 外山健太郎
  • 出版社/メーカー: みすず書房
  • 発売日: 2016/11/22
  • メディア: 単行本



テクノロジーは貧困を救わない

テクノロジーは貧困を救わない

  • 出版社/メーカー: みすず書房
  • 発売日: 2016/11/22
  • メディア: Kindle版



タグ:外山健太郎
nice!(0)  トラックバック(0) 

『戦争と経済の本質』 [☆☆]

・全世界では1兆7500億ドルの軍事費が支出されています。全世界のGDPは77.3兆ドルなので、GDPに占める軍事費の割合は、全世界を平均すると2.3%ということになります。

・過去20年間で、米国のGDPは2.4倍に、ドイツは1.8倍、ロシアは6.7倍、中国に至っては18.4倍に成長しました。同じ時期における日本のGDPはほぼ横ばいという状況です。

・1994年時点において、ドイツの軍事費は日本の8割程度しかありませんでしたが、現在では日本を上回る支出となっています。しかしドイツにおける軍事費のGDP比はむしろ以前より低下しています。この差は、順調に経済成長できた諸外国と経済に躓いた日本の差と考えてよいでしょう。

・職人芸的な技を過大評価し、システマティックな部分を軽視する、現状に対する批判を社会として受け入れられない、などの風潮は、今の日本にも時折見られるものです。こうしたムラ社会的な風潮は、他国との争いにおいて必ずマイナス要素となります。

・日本はパートナーシップの構築が下手。

・戦争というものが、経済活動の延長線上にあるのだとすると、経済的なパートナーシップをどう構築するのかは、国家戦略上、非常に重要な課題ということになります。

・ロシアは自国でクリミア戦争の戦費を調達できず、何と敵国である英国の金融街シティで調達せざるを得なかったのです。英国はあえて、自国市場をロシアに開放し、資金調達を支援しています。

・ロシアの資金調達を支援してしまうと、確かに目の前の戦争では不利になってしまうでしょう。しかし、長期的な国家の覇権を考えた場合、自国市場を閉じない方がよいとの判断を行なったのです。こんなところにも、英国が世界の支配者になれた理由を垣間見ることができます。

・中央銀行国債を直接引き受けるということは、戦費という形を通じて、市中に大量のマネーを供給するということにほかなりません。当然、通貨の価値は減少し、インフレが発生することになります。

・米国はサウジアラビアを抜いて今や世界最大の産油国です。米国は近い将来、すべてのエネルギーを自給できる見通しが立っており、中東の石油に頼る必要がなくなっています。

・歴史を今から眺めて見ると、国際連盟脱退前後から、米英との関係悪化は決定的だったように見えます。しかし、当時の日本人の意識はそうではなく、多くの人が、実際に戦争になる直前まで、米英からの不信感が極めて大きいことについて、あまり自覚していませんでした。

・国家のパワーバランスは基本的に経済活動で決まりますから、既存の交通インフラから切り離されている地域は、国家間のパワーバランスにおいても、隔離された状況に置かれることになります。

・シーパワーの国は、隣国とはとりあえず海で隔てられていますから、海を使って世界各国と貿易を行ない、富を増やすことの方に熱心となります。一方、ランドパワーの国は隣国と地続きですから、自国領土の保全を最優先に考えざるを得ません。このためどちらかというと閉鎖的になり、ビジネスには積極的ではありません。

・最も安い船舶に比べて航空機は15倍以上のコストがかかります。つまり、大量の物資を安定的、かつ安価に運ぶためには、今も海上交通というインフラに頼る必要があるわけです。

・自国のサービスをグローバルに展開できない国が情報戦において相対的に不利になってしまうのは、地政学の世界では常識です。

・日本人はとかく感情的に物事を理解しがちだからです。日本国内には、米国は無条件に日本の味方をしてくれると強く信じている人がいる一方、米国は横暴なだけで日本は常に被害者だとする見解も根強く残っています。

・世界の警察官のように振る舞うという米国の姿勢は、つい最近始まったことであり、米国の伝統ではないということを理解しておく必要があるでしょう。

・米国が覇権国家として振る舞うようになった理由の1つは中東の石油を確保するためだったのですが、エネルギーが自給できるようになったことで、潜在的にはその必要はなくなったのです。

・米国はもともと孤立主義の国でした。米国が戦争をしてまで、英国から独立したかったのは、欧州の問題と関わりたくなかったからです。

・辺野古の基地問題は、日本では、ややもすると米国の軍拡という文脈で捉えられがちですが、実体は逆です。沖縄から米軍が撤退するにあたり、既知を辺野古に集約するという方が実態に合っています。

・日本では、企業は株主のモノではなく、従業員のモノという風潮が強く、多くの人は、これは日本社会の伝統だと思っています。しかし、こうした考え方は、国家総動員体制によって強制的に作られたものであり、実は日本の伝統ではありません。

・総動員体制によって年功序列の賃金体系や終身雇用、下請け元請け制度などの導入が進みました。インフレが進む可能性が高くなってきたため、給料を政府がコントロールしないと国民が生活できなくなってしまうからです。

・日本は業種ではなく会社ごとに労働組合があるという珍しい形態となっており、これが中小企業の待遇が劣悪であることの原因の1つになっているのですが、この形態も実は国家総動員体制によって強制的に作られたのです。

・建前上の歴史では、言論弾圧を進める軍部と言論の自由を求めるマスメディアの争いという図式になりますが、現実の姿はだいぶ違っていたようです。紙の配給を優先して受けたいマスメディアが、軍の将校を連日連夜、女性のいる店に接待し、便宜を図ってもらっていました。

・ITの世界は、あらゆる分野において、抽象化、モジュール化が行なわれており、役割分担が徹底しています。このため、自由自在にシステムを拡張することができますし、1つのモジュールを複製して他に転用することで、極めて安価に別のシステムを構築することも可能となります。

・部隊の編成やオペレーションのあり方など、組織の運用についても、状況に合わせて柔軟に体制を変えるという方向に変わりつつあります。ITを使った情報収集や分析手法を駆使することで、中央集権的なオペレーションよりも、現場判断を重視したオペレーションの方が戦果を上げやすくなっているのです。

・戦争は補給や整備、衛生といった兵站業務があってはじめて成立します。

・故障した車両は自走することができません。結果的に大型トレーラーなどに乗せて道路を走ることになります。つまり、大量の車両を投入して戦闘を行なう場合には、よく整備された大型の幹線道路がないとうまく運用することができないのです。逆にいえば、こうしたインフラのない未開拓の地域に、現代的な軍隊は投入できません。

・米軍がイラクに大量に展開できたのは、イラクが比較的豊かな国であり、道路網や電気といったインフラが整っていたからです。

・米国の17歳から24歳の若者のうち、約7割が何らかの条件に抵触し、本人が入隊を志願したとしても、軍に入れない状態となっています。入隊できない理由として最も多いのが身体的、学力的な問題で、28%がこれに該当するそうです。最近、特に問題となっているのが、数学力と読解力です。

・米国では、大学院に行くための奨学金を目当てに入隊する低所得層出身の学生も多く、実はこうした優秀な人材が、装備のハイテク化を現場で支えてきた面があります。

・多くの軍事技術は、最先端を追求するのではなく、信頼性第一の保守的な考え方で体系立てられている。

・最終的に勝負を分けるのは、相互の行き来を相殺した結果として、相対的により多くの資金や情報を集めている国ということになるでしょう。

・戦争が外交の延長であり、外交は経済の延長であるというのは、使い古された言葉ではありますが、戦争の本質を最もよく表しているといってよいでしょう。

・太平洋戦争では場当たり的に物事に対処するということを繰り返すうちに、自覚のないまま周辺国すべてを敵に回してしまいました。

・最も利害が一致するパートナーであった米国からの満鉄共同経営プランを拒絶し、グローバルな金融システムに背を向けてしまいました。こうしたパートナーシップ感覚の欠如は今の時代も続いています。

・パートナーシップとは、相手に媚びて同じように振る舞うということではなく、相手に対して自らの立場や利害を明確に伝え、相手と交渉することで培われます。

・最近、日本では保守化傾向が強くなっているといわれ、やたらと日本の伝統や文化が強調される傾向が見られます。しかし本当の意味での伝統というのは、常に変化に対応し、生き残っていくことでしか維持することはできません。



「教養」として身につけておきたい 戦争と経済の本質

「教養」として身につけておきたい 戦争と経済の本質

  • 作者: 加谷 珪一
  • 出版社/メーカー: 総合法令出版
  • 発売日: 2016/06/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



タグ:加谷珪一
nice!(0)  トラックバック(0) 

『7歳までのお守りBOOK』 [☆☆]

・「自立」って、突き放すことじゃないんです。親や周囲の大人にちゃんと甘えられた子、甘えたときにしっかり受け止めてもらえた子が、初めて、「自立」できるんです。

・「自分のやりたいこと」と「父さん母さんが喜びそうなこと」の見分けが、自分でもつかない。そんな人がたくさんいるんです。

子供の遊びは、「見てる。でも、手伝わない」 これがキホンです。

・大体、「なにつくってるの?」 なんて意味がない。子供は、「何か」を作っているうちに、それが、「何か」になっていくものだから。

・「見ない」っていう選択もあり。世の中、見過ぎるとろくなことがない、というのも真実で。

・"better a broken bone than a broken spirit" 「魂が壊れるより、骨折のほうがまし」

・親がどんどん先回りして、危険を取り除いてしまう。そんな、先回り文化では、自分で気づいて自分で判断する力が育たない。

・早くから人と比べられて育った子は、できなかったことで傷つき、自信をなくしていきます。

・「友だち100人できるかな♪」……できるわけないだろう!

・比べるって、最小限のエネルギーで、人をヘコませるワザだから。

・たとえ除菌して体が守られたと親が思っても、子供の心の中には不安が広がっていく。これ触っても平気? これは汚くないの?

・子供はどこでどうやって、殺されているのでしょうか? 圧倒的多数の子供たちは、家庭で、親や親族に殺されているんです。不審者じゃない。

・困るのは、そんな父親が、会社の仕事みたいに育児に取り組むこと。育児に競争原理を持ち込む。早く、効率よく、人より賢く、強く……。

・「じゃあ、こうしてみれば?」なんてね。よかれと思ってのアドバイス。「じゃあ、私のやり方がいけなかったって言うの」 妻の怒りはもっともだった。彼女が求めていたのはただ「大変だったんだね」という言葉だった。






タグ:西野博之
nice!(0)  トラックバック(0)