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『お金の流れが変わった 新興国が動かす世界経済の新ルール』 [☆☆]

・農地だろうが政府の一存ですぐに商業地に転用できてしまう。毛沢東の最大の(今日的)貢献は土地を例外なく共産党の所有物に換えたことにある、といっても過言ではない。

・民主主義国家では、富を持たない人は多く持つ人を妬み、足を引っ張ろうとする。

・インドでは、繁栄しているところには社会主義的な国民会議派の人たちがやってきて、食事とパソコンのどちらが大事なのだと文句をつける。だから、改革派の知事はみなクビになるのだ。

・とにかく中国人の消費意欲はすさまじい。やはりいまだ発展途上にある国である。だれもかれもほしいものが山のようにあるのだ。

・中東の原油は生産コストが1バレル=2ドル程度である。それが100ドルを超える価格で取引されるという異常な事態が起こったのは、まさに実需と関係のない連中が、ホームレス・マネーを使ってマネーゲームに興じたからなのだ。

・21世紀の取りつけでは、銀行のドアに人々が殺到することはない。インターネットで一気に引き下ろしてしまうのである。

・欧州中央銀行の外貨準備金は現在、約40兆円にまで積み上げられたとはいえ、これではヘッジファンドが1兆円を元手に30倍のレバレッジを効かせて仕掛けてきたら、一瞬で金庫が空になってしまう。

・日本のように外貨準備が100兆円もあるのなら、ヘッジファンドに仕掛けられても為替介入で十分に対応できる。中国も230兆円近くの外貨準備があるから、人民元も大丈夫だ。

・経済学者は金利を下げ、資金供給を増やして経済を活性化しろといっているが、それは20世紀経済の考え方で、21世紀の先進国ではほとんど効果が出ないことは日本が証明している。成熟経済では金利を下げて資金供給しても、経済自体が資金を必要としていないから、それを吸収しないのである。

・アナログと違ってデジタルでは、習熟の程度が低くてもかなり高い性能を持つ製品を作ることができる。あらゆる点で日本の後塵を拝していた韓国が、資金と経営のスピードでいまやリードしているのも、ほとんどがデジタル商品の分野である。

・文部科学省に変われと叫んでいるようでは間に合わない。気がついた人がみずから変わっていかなくてはならないのだ。

・たとえば、信用のある国が景気を引き締めようと金利を上げたとしよう。これまではお金の借り手が減って景気は減速したが、いまは高金利と見るや海外からホームレス・マネーが流れ込んでくるので、景気はいっそう過熱してしまうのである。

・自国の産業を保護するというのは明治時代の発想だ。日本の官僚の頭の中は、いまだに明治時代のままなのだろう。

・典型的な衰退産業であるソース会社をわざわざ買うといってくれているのに、なぜ国を挙げて妨害するのかまったく理解できなかった。過剰反応したブルドックソース自身もポイズンピルの毒が回り、今後の生き残りも至難の業となっている。

・「ようこそ日本へ!」といいながら近隣諸国との摩擦が絶えないいま日本外交では、観光庁がいくらカネを使っても人が来るわけがない。

・現在、日本で公共投資を行えるのは、用地買収の困難さを考えたら地方の僻地だけであって、そんなところにお金を投資したところで経済効果など生まれはしない。成熟した国ではケインズ型の景気刺激策は効かないのである。

・日本の金融機関は、ふたを開ければ国債しか買っていないのである。国民は銀行や郵貯に預金したと思っているが、じつは間接的に国債を買っていたのだ。つまり、日本国民の金融資産の大半は日本国債なのである。それはすなわち、日本国債がデフォルトしたら、国民の金融資産はたちまち消えてなくなることを意味する。

・旧ソ連のチェルノブイリ原発では多数の犠牲者が出たが、あれはあくまで圧力容器がなく、爆発したら終わりの古いタイプの原子炉だったからだ。

・本来、科学技術に絶対安全なものなどあるはずがないのだ。自動車にしてもアクセルとブレーキを踏み間違えれば、人の命を奪う凶器となる。けれども、自動車は絶対に安全ではないから廃止すべきだとはだれもいわない。

・ユニリーバはまず、インドの主婦たちに水の濾過装置を寄付する。きれいな水だと洗顔や洗髪にも快適にできる。そこで、先に濾過装置を渡してから、石鹸やシャンプーを販売するのである。

・もし金持ちからより多くの税金を取りたいのなら、所得よりは資産にかけたほうがよい。日本のほんとうの金持ちは給与所得者ではなく資産家だからである。

・1980年代に日本が人手不足に陥ったとき、それまで8年だったロボットの減価償却期間を2年にした。それからわずか2年後、日本は世界一のロボット大国になってしまったのだ。

・予算は単年度だから、政治家や官僚には減価償却という概念自体が存在しないのだ。

・減価償却期間の短縮は、税金を使わない景気刺激の最大の起爆剤である。

・アジア通貨危機の韓国では、建物の減価償却期間を16年にした。これで大建設ブームが起こり、ソウルオリンピックのときに建てた安普請のマンションが建てなおされてしまったのだ。韓国経済が完全復活した真の理由がこれである。

・すでに工業化時代は当のむかしに過ぎ去ったというのに、いまだに湾岸地帯は工業用地のまま、使われない工場と倉庫が建ち並ぶのみ。

・いつまでも官僚は工業用地の規制を外そうとしない。理由は省庁間の縄張り争いだ。経済産業省が工業用地指定を外すと、そこは国土交通省の管轄になってしまう。そうなると土地に付随する利権まで失ってしまうから、規制を外せといっても経産省絶対に首を縦に振らないのである。

・市街化調整区域指定を外すと、そこは国土交通省、あるいは自治体の管轄になってしまうので、農水省は規制を外そうとすると難色を示すのだ。

・パリの都心部が平均6階、ニューヨーク・マンハッタンの住宅街が6階、事務所街14階であるのに対し、東京は山手線の内側でも2.6階、東京全体で見れば1.4階だ。江戸時代とほとんど変わっていないのである。

・自民党は「均等な国土の発展」をめざし、田舎の開発を行った。しかし田舎には需要も、金もない。だから結局、税金をもちこんで、工事が終わったら閑古鳥、というのがこれまでの経済対策だった。



お金の流れが変わった! (PHP新書)

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  • 作者: 大前 研一
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