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『大前流 心理経済学 貯めるな使え』 [☆☆]

・日本人の集団心理のなせるワザだ。会社に入ったとたん、安定を求め(資産形成やライフプラン作成・実行などの)努力を忘れるのである。その結果、集団心理に惑わされない一部の日本人だけが努力を続け、そうした人々に富が集中することになる。

・平均寿命というのは、今生まれた赤ちゃんが平均何年生きられるかという数字であって、その統計には若くして死んでしまう人も含まれている。よって、60歳まで無事に生きた人の残存寿命というものは、平均寿命を基準に考えてはいけないのだ。60歳の平均残存寿命は、約25年である。

・日本人は年を取るとみな介護が必要になると思っているが、実際に介護のやっかいになる人は7人に1人。75歳以上の人だけをとっても29%しかない。ほとんどの人は「最近まであんなに元気だったのに、風邪をこじらせてポックリ逝ってしまった」というパターンなのである。

・政府が行ってきたような公共投資は、そのお金を使い切った途端に効果が消える。結局は膨大な国家債務の山だけが残るという、悲惨な結果を招くものでしかなかった。

・巨大投資を行うような優良企業は収益の中から設備投資に回せるだけの体力をつけているから、銀行などからお金を借りる必要がない。

・昔のように金利が安いから在庫を積み増しするとか、借り入れて設備投資するという企業は、もはや日本の産業界のメインストリームには存在しない。ケインズ経済学における金利の常識は、学者、政治家、官僚、古いジャーナリスト達の頭の中以外の世界、すなわち実業界ではまったく通用しないのである。

・在庫しない=最も優れた在庫は現金。

・現在の日本のように、個人金融資産がGDPの3倍に達するようなストック経済では、金利を操作して需要と供給というフローを調整しようとするケインズの経済理論はまったく通用しない。

・日本では、生産性の高いのは輸出企業など世界の競争に晒されてきたところだ。一方、生産性から見て問題となる産業は、ほとんどすべて保護されてきた産業である。そうした産業が保護されてきた理由は、まさに雇用維持、であった。だから日本の遅れた産業の生産性を高めれば、当然のことながら、失業者の山となる。

・現在の円安は日本の長期衰退を表わすものである。

・オイルマネー、ロシアマネー、そして無数のファンドがとりあえずイギリスに集まり、そこからルクセンブルクやシンガポールなどに散らばっていく。

・他人のふんどしで勝負するというのが、ボーダレス時代の国家の、あるいは都市国家の、繁栄の秘訣である。

・夕張市の人口は約1万3000人、日本は1億3000万人。夕張の債務残高は、約630億円、日本の国債発行残高は676兆円。規模を一万倍して考えれば夕張市も日本国家も置かれた状況はまったく変わらない。

・この10年間にアルゼンチンなどで起こったハイパーインフレでは、国民の多くはかつてのようにモノに殺到しないで安定した外貨通貨に一斉に逃れている。日本でもそうなる可能性が高いのである。

・多数決で決めるという民主主義社会においては、為政者が無責任である場合、常に少数から多数への利益移転が行われてきた。

・年金制度そのものを廃止し、税金による生活保護だけにする。年金の支給額が下がれば受給額はいずれ生活保護と同程度(家族構成にもよるが月16万円くらい)になるから、生活に困っている人には生活保護を申請してもらう形を取り、年金そのものはなくしてしまうのだ。

・消費税は1%上げると約2兆円の増税効果がある。

・日本人の過剰なまでの貯蓄好きは、実はお金に対して「何も考えていない」結果であり、換言すればお金に対して「不真面目」であるがゆえに生じる現象である。

・アメリカでは投資信託を購入する人の72%が「退職後の資金」と答えている。かたや日本はトップが「無目的の余裕資金」(48.5%)なのだ。本来、投資信託は長期運用する方が有利で、5年先、10年先という目標を立てて資金を運用する最に活用すべきタイプの金融商品なのである。

・日本で投資信託は、なぜか60歳以上の保有率が最も多くなっている。定年後に備えて始めるべき投資信託を、定年になってから始めているわけだ。

・高齢者が「最後まで面倒見てくれた子供に譲る」といって金融資産を人質にとっている状態は、死なないとその金が動かないということでもある。

・納税者の金でバラマキ行政をして経済を刺激するのではなく、世界中にあり余るカネを呼び込んで繁栄する、というのがボーダレス経済の特徴である。

・世界中の国々が考えている望ましいバランスは、ドル60%、ユーロ20%、その他の通貨が20%。あるいはドルベースの資産を50%、ユーロ30%、その他の通貨を20%という具合である。

・ボーダレス経済においては、価格は世界的に平準化する方向に向かう。日本のように物価の高い国では、ボーダレス化によって物価が下落し続けるのは当然のことであり、これを不景気と結び付けるのは正しくない。世界的に見れば「価格の正常化」にすぎないからだ。

・いつも「地震が起きたら持たないかもしれない」という不安の中で生活するよりも、阪神大震災でもほとんど被害のでなかったツーバイフォーで作り直そう、という発想になるだろう。

・理不尽な規制の多い建築基準法を改正し、海外から良質かつ安価な住宅を直接輸入できるようにすることだ。そうすれば坪単価は20万円ほどになり、30坪の家を建てても600万円ですむ。

・日本人は遊びでさえ指導要領が必要な人たちだ。

・国は30年しか耐用年数がない基準を作っておきながら、35年ローンを放し飼いにしている。最後の5年は少なくとも政策上の論理矛盾である。

・大切な資産なので、アメリカ人は住宅にお金と手間をかけて、クオリティーを高めようと努力している。住んでいる間もピカピカに磨き、休日には自分でペンキを塗り替えをしたり、庭に空いたスペースがあればそこに花木を植えたりして、見に来た人が惚れ込んで高いお金を出して買ってくれるように努力している。ヒマさえあれば家を磨く、というのはいわば資産形成のためである。

・日本では休日にクルマを洗車したりワックスで磨いたりしている人をよく見かけるが、それでクルマの価値が上がるわけではない。資産価値の上がることに時間と金をかける。これが彼我の価値観の違いである。

・日本人はあまりにもテーラーメイドの家を作るために、買ってくれる人がいなくなることも珍しくない。35年もかけてローンを返すにもかかわらず、5年、10年で変化する家族構成に合わせて家を建て、その後どうするかを考えないのである。

・日本人の性癖として、日本が勝てそうになかったり、日本が負けていると興味をなくし、少しでも勝ち始めると熱狂するという面がある。

・北九州に作った最新鋭の24時間港湾のひびきコンテナターミナルも閑古鳥が鳴いている。グローバルなスケールで世界中の貿易を取り込まなければならない時代に、都道府県以下の地方自治体が内ゲバ的に争っているのだから、それも当然である。

・お互いの理屈だけを並べて譲らないために、すべてまとめてズルズルと世界の競争から敗れ去っている。

・仁川(ソウル)は日本国内の15の司地方空港からの直行便があるので、これらの地方に住む人にとっては、海外便への乗り換えが羽田経由で成田まで行くよりも遥かに楽なのだ。

・日本人には集団で知恵を出す、という発想そのものがない。あるいは、お上に任せておけば何とかしてくれる、という考えになってしまう。お上が何もやらなければそのままで、不便さを克服する小賢しい知恵が裏技として流布する。日本人全体がこうした小賢しい知恵で満足することに慣れきってしまっている。「集団の知恵」が行政を動かし、世の中を変えていくところまで成熟していない。

・ロシアとの関係は、第二次大戦の後いまだに平和条約を締結しておらず、形の上では戦争状態が続いている。

・シンガポールは、世界のベストカンパニーを集めることに政府は知恵を絞り、遅れている国内産業を保護したり、無理に国内企業に受注させようなどという発想はない。結果が世界最先端であれば、国としても世界最先端となる、という固い信念がそうさせているのである。

・「ゆとり教育から訣別するために土曜日を一部登校日とする」とか「9月に新学期を」とか、思いつきレベルのアイデアを羅列しただけの中間報告書が提出された。

・今我々が生きている新しい時代は、一人の天才が世界を変えていく時代である。

・日本でも国際競争力を急速に失っている産業は、例外なく政府が介在した産業である。逆に、政府が放っておいた産業はおしなべて強くなっているのだ。

・ボーダレス経済のもとでは、できるかぎり規制を撤廃し、人、モノ、カネの流れをスムーズにしなければ国際競争に勝ち抜くことはできない。顧客が最終的に選択するかどうかだけが存続・繁栄の条件である。

・アナリストや役人は産業の表面的なことしか知らない。また、調べない。企業に対する基本スタンスは、ガバナンスやCSR(Corporate Social Responsibility=企業の社会的責任)でウオッチするのはいいが「生きるか死ぬかは自由放任」でいいのだ。

・政治家は陳情を世論だと勘違いしているし、新聞記事などで盛り上がっていることを重要問題と考えがちだ。声なき声はなき声、と言わんばかりである。

・今の日本は、政・官・財の「鉄のトライアングル」にマスコミと御用学者が加わって「鉄のペンタゴン(五角形)」となり、国家権力を代表する検察庁や国税庁、さらに弁護士までもが利権構造に取り込まれて、「鉄のオクタゴン(八角形)」ができ上がっている。

・言ってみれば小泉首相は改革を進めるリーダーではなく、政敵を倒すために改革の名を騙った独裁者だったのである。

・日本の歴史を振り返れば、実は政治家ではなく一人の企業家が世の中を変えるパターンがほとんどである。日本における「革命」のほとんどは一人の民間人が行ってきたものなのだ。

・ボーダレス経済においては、世界中を移動するカネ、情報、モノを扱う「金融」「通信」「運輸」が中核産業となる。

・30代の9割が老後が心配だとアンケートで答えているが、だからといって具体的な準備は何もしていない。ただ不安に感じるだけで、その不安を解消しようとは動かないのである。



大前流心理経済学 貯めるな使え!

大前流心理経済学 貯めるな使え!

  • 作者: 大前 研一
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2007/11/09
  • メディア: 単行本



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