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『面白い本』 [☆☆]

・「方言周圏論」とは、京都で生まれた新語が1年に1キロメートルというスピードで、同心円を描いて全国に伝搬していったという説である。この説に沿えば、現在、京都を中心とした関西圏で使われている「アホ」は比較的新しい京都語であり、「バカ」はいにしえに使われていた京都語だということになる。

・大村智はまぎれもなく「大村智」というタイトルで本を出すに足る、世界的に有名な化学者なのである。彼が日本で広く知られていないのは、たまたま彼に救われた日本人がほとんどいなかったからに過ぎない。将来、「平成の野口英世」と呼ばれることになるかもしれない。

・いまでこそ清潔な民族として世界に知られるようになった日本人だが、二十数年前はなんと、国民のカイチュウ所有率は70パーセント。打率7割で腹にイチモツを抱えていた国民だったのだ。そのカイチュウの所有率が、現在に至り0.2パーセントにまで激減したという。この「ムシ退治」が、花粉症やアトピー性皮膚炎の激増と完全に同期する。

・キリスト教に関する知識があると、こと美術史においてはなにかと得をすることが多い。絵の宗教的意味を読み解けなければ中世絵画の価値の半分は理解できず、その超絶技巧にしか目がいかない。

・金魚のバリエーションの豊かさは、金魚のすべてが「雑種」であることに由来する。金魚は遺伝的均一性をもつ純系の集団ではないため、同じ品種の間の交配ですら、目的とした形質を持つ個体を確実に得ることはできないのである。

・カナヅチの人というのは、身体技能ではなく、心の底からカナヅチなのだということだ。彼らは心の底から泳げず、沈み、溺れるのである。

・人はあまりに有名すぎてもう感動の余地が残ってなさそうな「観光スポットベスト10」へ行き、ガイドブックに書いてあることと同じ感想を持つことに満足するという不思議な生き物だ。

・羞恥の文化は、日本の伝統社会において「感情を表に出さない女性こそが、真の女性に値する」といった日本人特有の価値観によって作られた。

・シェアのトップを占めるような憂慮企業ほど、新技術によるパラダイムシフトに弱いというのだ。

・文化や生活習慣をアメリカに強制的に変えさせられたエスキモーは、もはや民族としての原型を留めなくなっているのである。

・十分に発達したハリケーンは、この地球上において匹敵するものがないほど強力なエネルギーをもつという。アメリカ合衆国と旧ソ連の両国が保有しているすべての核兵器をもってしても、ハリケーンを1日進め続けるほどのエネルギーは得られないというのだ。




面白い本 (岩波新書)

面白い本 (岩波新書)

  • 作者: 成毛 眞
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2013/01/23
  • メディア: 新書



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