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『憎悪のパレード 池袋ウエストゲートパーク 11』 [☆☆]

・あとからやってくる世代は、いつだって謎である。あんたも若いころを思いだせば、そいつはよくわかるだろう。年上のオヤジの説教は予想がつくけれど、次の世代がなにをしでかすかはブラックホール。

・思想でも、政治信条でも、合成麻薬でもいい。純粋なものほど、よく効いて人に危険なのはまちがいない。

・三千円で数時間のハイな気分を買って、あとはどうなってもかまわない。世界中がそんなゾンビのようなガキがあふれている。今やハリウッドでは吸血鬼やゾンビ映画が花盛りだが、あれはリアルに世界を反映しているだけなのかもしれない。

・ひと言でいえば、大麻解禁本。うっかり読んでいると、おれも賛同しそうになった。だから、本って危険だよな。

・マリファナには健忘作用がある。つらくて嫌なことを忘れさせてくれる。だが、同時によいことや忘れてはいけないことも失われてしまうんだ。

・そいつはギャンブルではないギャンブルだ。おかみがお上品に遊戯と呼ぶモンスター。一年間に二十兆円を超える売上を記録するグレイゾーンの王さまだ。

・ほとんどの場合、暗闇に吸いこまれていく鉄の球を絶望的に眺めながら、なけなしの金を溶かしていくことになる。ガラスのむこうに隠れたデジタルの吸血鬼に、ゆっくりと精気を抜かれ、人は薄っぺらになっていくのだ。

・自分の価値を信じられない人間が、自分の運や才能やセンスをイチかバチかのギャンブルで、なんとかして金に換えようとあがく。

・おれたちが生きる世界では、安心したがってるやつほど、いいカモはいない。

・やつらは緑豊かな草原の代わりに、電源豊かなカフェや図書館をさまよい、こまごまとしたITビジネスを黙々と片づけていく。

・音楽は余技で、自分のことを日曜作曲家と呼んでいたらしい。日曜画家、日曜小説家、なんだか日曜がつくとどんな仕事でも優雅に感じられるから不思議だ。

・ネットで徹底的な宣伝活動を開始する。三か月後のある日、十二時間限りで絶対恋愛成就法を売りだすと宣伝したのだ。深夜十二時までに申しこんだ買い手の数は、十万人とすこし、一部三千円だから、売上は三億を超えた。

・ピエロはいつだって命がけで王に冗談をいうものだ。

・この世界には常軌を逸して残忍なやつがいる。そうした残忍さは、愛が地上からなくならないように、なくなることはないのだ。

・人の欲望には果てがなく、遠い未来の破局よりも、目のまえに積まれた金のほうが魅力的なのだ。

・デモ隊のほとんどは、この街の住人でさえないだろう。なぜ、よその土地にでばってきて、いらない騒動を起こすのか。

・貧しくなれば、どこの国でも差別主義の民族派が勢力を伸ばす。

・アンプというのは一度点けたら火を消さないものなんだ。トランジスタ式のアンプなら、いつでも働けるように予熱しておくのがあたりまえだ。

・自分が日本人であること以外に誇りをもてない気の毒な人たち。

・自分がよりよい日本人であると信じたいおめでたい人たち。

・情報ってすべて順番だよな。一番早ければ黄金だが、二番目以降は全部鉄だ。

・右でも左でもなく金しか信じない男、おれはそっちのほうがまだ信用できると思うぞ。

・敵にもいいやつと悪いやつがいる。世のなかそういうもんだよな





憎悪のパレード 池袋ウエストゲートパークXI

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  • 作者: 石田 衣良
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2014/07/14
  • メディア: 単行本



憎悪のパレード 池袋ウエストゲートパーク11

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  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
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