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『キング誕生 池袋ウエストゲートパーク青春篇』 [☆☆]

・この世界は無情だが、おれたちが物語を話すとき、語られたその人間は確かに生きている。

・完全に自分をコントロールできれば、世界だって手にはいる。

・ガキどもは息をのんで、おれの話にききいっている。おれたちはみな物語という弱点を持っている。つぎにどうなるか、気になってしかたないのだ。

・いいんじゃないか。ひと口かじるまでは、どんな味かもわからない。いつでもバックれることはできるし。

・不満そうな顔。こいつはこうして、なにをされても口をとがらせて耐えてきたのだろう。

・世のなかのどん底で一生ペシャンコにされて生きる。

・ブラック企業につかい捨てにされるくらいなら、自分が利用する側にまわりたい。

・こんなものに引っかかるのかとおれは思ったが、案外あわてると人はわからないものだ。日本人は人を疑うのが悪いことだと信じているのかもしれない。

・おれおれ詐欺は心理的に優位な態勢をつくるゲームなのだと思った。筋書きを信じる客もいるが、心理的な圧力から逃れたくて振込をする客もいるだろう。

・頭のいい男のひとって、世のなか自体が不公平なんだから、自分もちょっとくらい規制を破ってもいいと、世界を甘く見るところがあるでしょう。

・熱くなっている相手には冷たく接する。おれは子供のころから、人との駆け引きが得意だ。

・女の口説きかたを見れば、どんな男かよくわかる。キャバクラでのフジモトは自分のポイントをあげるためなら、どんなネタでも利用していた。自分が選ばれるためなら、ほかのやつを蹴落とすのも当然。そんな感じ。

・おれはボスと呼ばれるには、強いだけではダメなんだと思った。誰も助けてくれないときに、手をさしのべる。木元は明日からタケルのために命を投げだすようになるだろう。

・情けない顔をしている。存在が軽くて、誰からも軽くあつかわれるというのかな。

・やられたままでいるやつは、ストリートでは生き残れないし、尊敬されない。

・おれがタカシに力を貸すように、ほかの何人かもおれに力を貸してくれるだろう。格差社会の底辺を笑って生き抜くには、そいつは欠かせない力だ。

・その場に崩れ落ちた。糸の切れた人形みたいだ。いきなり意識を刈りとられると、人は重力に負けて、ただしたに落ちる。

・渋くて、硬くて、重いものがエライのだ。人生の不平等、社会の矛盾、恋愛なら不倫やどろどろの心中もの。そういうのが立派な芸術として認知されてきた。

・答えはカンタンだ。それは、渋くて、硬くて、重いものを扱うほうが、加工が簡単で手間がかからないから。生きるヨロコビとか、ふわふわと軽くて甘いキモチとか、周囲に向かって開かれたみずみずしいココロなんかを表現するほうが、固めた泥を流れ作業で扱うよりずっとずっと難しいのだ。

・新しかったのは、氷と熱を同時に感じさせる存在であった、という点だと思う。それこそ、ドライアイスのように、真っ白い冷気を背負って、触れる相手を一瞬で火傷させるような存在。





キング誕生 池袋ウエストゲートパーク青春篇 (文春文庫)

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  • 作者: 石田 衣良
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2014/09/02
  • メディア: 文庫



キング誕生 池袋ウエストゲートパーク青春篇

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