So-net無料ブログ作成

『「自分」の壁』 [☆☆]

・自分と世界との区別がつくのは、脳がそう線引きしているからです。その部分が壊れてしまえば、目に入るもの、考えていることも全部、脳の「中」にあるわけですから、自分の「中」にあるのと同じです。

・自分が世界と一体化するということは、周りに敵や異物が一切ないということです。だから至福の状態になるのです。

・人間の脳、つまり意識は、「ここからここまでが自分だ」という自己の範囲を決めています。その範囲内のものは「えこひいき」する。ところが、それがいったん外に出ると、それまでの「えこひいき」分はなくなり、マイナスに転じてしまう。だから「ツバは汚い」と感じるようになるのです。

・「私」にしか考えられないで、他の人には考えられないことばかり考えろ、ということは、「病院に入れ」というのと同じではないか。

・赤と青の錐状体細胞が感じる光の波長のピークは、変化する人間の顔色のピークと合致していた。つまり、人の顔色の変化の細かいところまで判別するために、他の哺乳類とは別の細胞を持っているというのです。

・誰かが感情的な批判をするときは、そのどこかに嘘がある。

・なぜ青酸カリを飲んだ人は即死するか。青酸カリを飲むと胃の中で青酸ガスが出る。このガスを吸うとミトコンドリアは、ぱったり活動を止めてしまう。要するに細胞の中で窒息してしまう。そしてミトコンドリアが窒息すると、エネルギーも生み出せないから人は死んでしまうというわけです。

・世間を良くしたい、と本気で考えるのならば、その人は、まず世間に入らなくてはなりません。

・山本七平は「『大言海』には、『下剋上』とは『でもくらしい』ということと書いている」と紹介していました。

・そもそも仕事のかなりの部分は、できない人のフォローです。

・言葉が動かすことができるのは人の考えだけです。その結果、その人が具体的に動いたときに、はじめて現実が動く。

・政府側は自分の優位を示そうとする。質問側は「俺の方が本当はディープな情報を持っているんだ」と示そうとする。それで勝手に言い合っている。子供の自慢のしあいみたいなものです。だから肝心な問題がどこかに行ってしまう。

・もともと日本は、小さな政府を実現していました。江戸時代、侍は人口の1パーセントしかいなかったといいます。だから小さな政府が作れたのです。

・中国が、尖閣諸島やその他の地域で揉め事を起こしているのに似ています。中国軍は何か揉め事がないと存在意義が問われます。だから彼らは、ああいうことをしているわけです。

・「強いリーダーの不在」を嘆く人もいます。しかし、強いリーダーで、システムがガラッと良くなるというのも小さな集団、せいぜい企業やNGOレベルの話です。1億人以上の国民がいる国において、リーダー次第でガラッとやり方が変わるなどということがあるとすれば、それは不安定で良くないシステムだと言わざるをえません。

・一人称の死は「自分の死」、二人称の死は「身内た友人など知っている人の死」、三人称の死は「知らない人の死」。

・メタメッセージとは、そのメッセージ自体が直接示してはいないけれども、結果的に受け手に伝わってしまうメッセージのことを指します。

・問題は、メタメッセージというものは、受け取る側が自分の頭でつくってしまうという点です。自分の頭の中でつくったのですから、「これは俺の意見だ」と思ってしまう。無意識のうちにすりかわってしまうのです。これが、とても危ない。





「自分」の壁 (新潮新書)

「自分」の壁 (新潮新書)

  • 作者: 養老 孟司
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2014/06/13
  • メディア: 新書



「自分」の壁(新潮新書)

「自分」の壁(新潮新書)

  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2014/06/14
  • メディア: Kindle版



タグ:養老孟司
nice!(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

トラックバック 0