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『仕事に効く教養としての「世界史」2』 [☆☆]

・この改革は「妻との離婚を認めないローマ教皇に激怒して」というのが表向きの理由でしたが、本音は無税でローマ教会に流れるお金を自国の収入とすることが目的でした。

・帝国とは、通常、異なる言語を話す人を包摂して統合する国を指します。

・アラブ人は海のシルクロードをリードしてきた海商でした。西方の海の彼方から魅力的な文物を持ってきて、東南アジアの産物と交易してくれる。そのことで東南アジアの人々はイスラム教に興味を持った。かっこいい海の男たちのようになってみたい。そういったプロセスが重なって、東南アジアの国々でイスラム教徒が増加して、今日に至っているのです。

・アラブの交易船の交易ルートは、南シナ海が中心でした。彼らの交易の目的は広東で充分に満たされましたので、さらに北方の日本にはやってきませんでした。日本には交易の目的となる特産品がなかったからです。

・ヨーロッパの人々は、長い間砂糖の存在を知りませんでした。初めて知ったのは、十字軍がシリア・パレスチナの地へ侵入したときのことです。

・宋代になってGDPが増えると、男性がひとりで2人分稼げるようになり、もう女性は働かなくてもいいという風潮が強くなりました。そしてこの時代は、男尊女卑の儒教が浸透していく時代でもありました。

・生活が豊かになり儒教の教えが広まったことで、女性は男性の支配下に置かれるようになっていきました。極言すれば、男性の愛玩物のような女性観が強まったのです。

・主戦論は、いつも市民の命には無頓着です。

・中世西ヨーロッパの世界では、ルネサンスが起こるまでは、芸術は神に使える紙芝居のようなものだった。つまりキリスト教を布教するための道具だった。教会の壁に描かれた宗教画、宗教音楽(グレゴリオ聖歌)、そしてイエスやマリアの像。

・新大陸のインディオたちは、病原菌によって、バタバタと死んでいきました。広範囲に焼き畑を行なっていた先住民が死に絶えたため、新大陸では森林が再生して地球は寒冷化の方向に向かいました。アマゾンの熱帯雨林も原生林ではなくこの時代の再生林です。

・ヴァスコ・ダ・ガマが150トン前後の小舟でインド洋を渡り無事にインドに到達できたのは、インド洋が安全な海だったからです。明の大船団、鄭和艦隊が海賊を根こそぎ退治していたのです。

・鄭和艦隊が万里の長城に化けてインド洋から消え去ったのが、1433年のことでした。インド洋には権力の空白が突然訪れたのです。

・白人たちが鉄砲を持って海岸線から奥地に入り込み、先住民を脅して無理やり連れてくる、そのようなアフリカの奴隷狩りは実はあまりなかったのです。仲介人となる黒人たちが存在したのでした。

・アフリカの健康な労働力が16世紀から18世紀にかけて、1000万人以上が流出していきました。働き盛りの青年男女がいなくなったら、畑を耕したりもの作りをする人口が激減します。人影が消えてアフリカの産業は停滞し、資源と自然だけが残ることになります。

・1887年にイタリアがエリトリアに持ち込んだ牛疫ウイルスが10年でアフリカ全域に拡がり、ウシが全滅しました。アフリカの経済基盤だったウシがいなくなり人口も激減して、牧草地が消え、野生動物の楽園が蘇ったのです。

・第一次世界大戦後のドイツについて考えるときの大切なポイントは、ドイツ国内に敵兵が一兵も入っていなかったということです。それゆえにドイツ市民は、第一次世界大戦で完全に敗北したとは考えなかった。

・世界連邦政府をつくったら戦争がなくなるからそれでいい、という素朴なユートピア思想は、自国が嫌いになったり政治亡命を余儀なくされた人にとってはデストピア思想に過ぎないのではないか。

・中世の始まりはローマ帝国の道路網(≒情報網)がズタズタにされたことが主因でした。世界の情報がローマ帝国の中枢に集まらなくなったのです。

・トランプ現象はアメリカ経済のダイナミクスの影であって、日本の政情が安定しているのはわが国の経済が停滞していることの裏返しであるのかもしれません。

・負け戦をニヤリと受け止められるような、骨太の知性を身につけてほしい。



仕事に効く教養としての「世界史」II  戦争と宗教と、そして21世紀はどこへ向かうのか?

仕事に効く教養としての「世界史」II 戦争と宗教と、そして21世紀はどこへ向かうのか?

  • 作者: 出口治明
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2016/10/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)






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