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『「悪知恵」の逆襲 毒か?薬か?ラ・フォンテーヌの寓話』 [☆☆]

・ラ・フォンテーヌは、四方から押し寄せてくる「悪」に対抗し、これを返り撃ちするには「悪知恵」しかないという結論に達して、その教訓を寓話という喉越しのいい文学スタイルにまとめあげ、後世のために伝えたのである。

・「将軍はベッドで死ぬ」という格言は、必ずしもその将軍が無責任ないしは卑怯者であることを意味しない。むしろ、「将軍は戦場で死にたくても、死ねないようになっている」というように、ピラミッド型組織の原理を語っているのだ。

・あなたが偉い人間か、それとも惨めな人間か、そこのところをよーく考えてから行動しよう。あなたの偉さに応じて、白か黒か、判決が下るのだから。

・状況が圧倒的に不利な場合は、どうやって戦うかを考えるよりも戦わないという選択が最上ということなのである。

・ラトンとは悪事において損な役回りをさせられる者の代名詞、ベルトランとは間抜けな悪党を巧みに使って儲けを独り占めするよりクレバーな悪党の代名詞にそれぞれ変化した。

・日本をラトンにして自分はベルトランになろうとしているアメリカの真意がさっぱり見抜けないらしく、なんと、自分の方から進んでラトンになろうと申し出たりする。

・「ベルトランになるもラトンになる勿れ」は外交の第一原則なのだが、日本の外交官でこれを正しく理解している者が果たしているのだろうか。

・教育という、全国民を洗脳するための唯一の方法にすがって、「国民よ、日本への憎しみを忘れるな」を合言葉にしたのだ。

・金儲けの王道は、自然にあるタダのものを見つけ、付加価値を付けて商品にして売ることだ。

・純粋プロレタリアートにとっても可能な金儲けの方法が一つだけある。それは「タダのものを、設備投資なしで売る」という道である。

・たしかに、人にものを教えるというのは無一物、無一文の人間に残された唯一の金儲けの方法かもしれない。

・その時代時代でタダのものを探せ。これが金儲けの最高の王道なのである。

・妖精がいよいよ立ち去ろうというとき、夫婦は三つ目の願いを口にした。「知恵をくれ」。

・人間の記憶というのは、命令を受けると、それが肯定命令であろうと否定命令であろうと、つまり「覗け」であろうと「覗くな」であろうと、とりあえず、その行為を中立状態で、つまり「覗く」という行為を、そのまま「原形」で脳の中にキープしておくものだといわれる。何かのきっかけで、その行為を始める条件が整うと、「覗く」ことを始めてしまうというのである。

・パスカルによると、幸福になりたいという願いは人間のすべての行為を一元的に説明できる究極の原理であり、自殺する人でさえ、生きているよりは死んだほうが幸せだと思うから自殺するのだ。

・世間を知らない者には話すことがない。

・文明というのは、人間が「部屋の中でじっとしていられない」ために考え出された気晴らしの集大成ということになるのである。

・年をとれば、ピロリ菌は胃がんや胃潰瘍のリスクを上昇させる。一方で、それは胃食道逆流症を抑制し、結果として食道がんの発症を予防する。ピロリ菌保菌率が低下すれば、胃がんの割合は低下するだろう。一方、食道腺がんの割合は上昇する。

・抗生物質登場以後に出現した新しい病気、すなわち、喘息、アレルギー、肥満、若年性糖尿病、自閉症などは幼児期における抗生剤の過剰投与によって体内細菌が失われたためではないかという壮大な仮説を立てる。

・もし、本当に拡散を希望しているのであれば、むしろ「絶対秘密厳守!」と記すべきである。「拡散希望!」よりは実際の拡散が多いことは間違いない。

・世の中には二つのテーブルが用意されている。一つは、器用な者、目はしの利く者、強い者のテーブル。もう一つは、それ以外の者のテーブル。第一のテーブルで余ったものを第二のテーブルの者が全員で分け合う。

・日本は今後、超高齢化社会に突入し、人口減少社会に向かっていくから、大規模な投資は常に過剰投資となる恐れがある。投資をしても回収できるだけの人口がないからである。

・年金世代が一番恐れなくてはならないのはインフレということになる。反対におおいに歓迎すべきはデフレである。デフレになって、物価が下落し、年金による購買力が増えるのが最も好ましい事態である。

・先手を打って、天国にいらっしゃるムハンマド様のところに使いにやらせたらいいんじゃないですか? そうしないと、あなたはいずれ一服盛られてあの世行きかもしれない。

・世界最大の海洋国家であるアメリカにとって、本質的に内陸国である中国は本当の脅威ではない。それに対し、太平洋の覇権を巡ってアメリカと足掛け四年にわたる死闘を繰り返したことのある日本は、その気になりさえすればアメリカと同等の大海洋国家に変身できる潜在能力を持つ。

・連れて歩く従僕ときたら、影だけだ。

・学問のある貧乏人というのは例外なく自尊心が強いので、学問のない貧乏人よりもはるかに自分が惨めであると感じる。そして、その惨めさは何とも耐えがたいものなので、世の中間違っていると考え、世直し、つまり革命に走ることになる。

・学問のある貧乏人こそ社会の混乱要因である。学問のある貧乏人が多い場所、たとえば、明治維新でいったら水戸藩のようなところから革命の狼煙は上がると決まっているのである。

・今のところ、日本の優秀な研究者が、理科系学部と経済学部を除いて、海外に流出しないですんでいるのは、「日本語」という壁があるからにすぎない。英語で授業したり論文を書いたりする「芸当」が「できない」ので、日本に「しかたなく」いるのである。日本語は頭脳労働流出の立派な抑止力になっているのだ。

・優秀な人材は全員、海外の大学や研究施設という「メジャー・リーグ」に吸い上げられてしまうに決まっている。その結果、日本のアカデミズムという「マイナー・リーグ」に残るのは英語ができないが、あるいはそれほど優秀ではない二流の人材だけになるだろう。

・みな失敗に学ぶのは当たり前と思っている。株式会社というものはそのためにある。企業家も出資者も有限責任でリスク・テイクすることを可能にする制度なのだ。破産しても、個人の資産まで奪われることはない。

・日本の株式会社は、起こすものではなく、そこに「入る」ためのものであり、先祖代々受け継がれてきた「藩」のイメージに近い。

・日本の会社では経営者も従業員も原則的に「無限責任」なのであり、敗者にはハラキリが要求され、許されるのは下降スパイラルに落ちてゆくことだけである。

・経済は弱肉強食のアニマル・スピリッツ、政治・社会は戦前的大家族のモラリティ、そんな頭と体で命令系統が違うような合成体をつくれるわけがない。



「悪知恵」の逆襲

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  • 作者: 鹿島 茂
  • 出版社/メーカー: 清流出版
  • 発売日: 2016/11/19
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